カー・アンド・ドライバー

カー・アンド・ドライバー：アメリカ発、世界へ羽ばたく自動車雑誌

『カー・アンド・ドライバー (Car and Driver)』は、アメリカ合衆国ミシガン州アナーバーに編集拠点を置く、世界的に有名な自動車雑誌です。フランスの出版社アシェット・フィリパッキ・メディアが所有しており、その影響力はアメリカ国内にとどまりません。1955年の創刊以来、年間約130万部の発行部数を誇り、アメリカ車への批判的な視点も持ち合わせていることから、独自の編集方針で知られています。特に1983年からは、毎年「10ベストカー」を選出するなど、業界に大きな影響を与え続けています。同社は、アメリカを代表する自動車雑誌『ロード&トラック』も所有しており、自動車業界におけるその地位は揺るぎないものと言えるでしょう。

日本版：独自の進化を遂げる

アメリカ版との提携により、1978年9月に日本版『カー・アンド・ドライバー』が創刊されました。当初はシティ出版、その後株式会社カー・アンド・ドライバーが編集・出版を行い、発行元はダイヤモンド社から毎日新聞出版へと移行しています。創刊から長きにわたり、日本の自動車愛好家から支持を集めてきました。

創刊当初は「日本版」と明記されていましたが、現在は名称から「日本版」の表記がなくなっています。1983年から月2回発行され、2009年からは月刊誌として毎月26日に発売されています。中心読者層は20代男性で、公称発行部数は25万部です。

日本版の特徴として、国産車と輸入車を区別なく紹介する公平な姿勢が挙げられます。他の自動車雑誌で多く見られる新車スクープ記事は少なく、落ち着いたトーンで自動車の魅力を伝えています。表紙イラストは長年、岡本三紀夫氏による自動車イラストが飾っており、特徴的な誌面デザインも魅力の一つです。かつては表紙や目次ページに女性タレントが登場することもありましたが、現在はシンプルなデザインへと変化しています。また、かつては『FM STATION』と兄弟誌として位置づけられ、表紙デザインや記事レイアウト、連動記事、オーディオカセットレーベルのアレンジなど、密接な関係がありました。

内容：多様な記事で自動車の世界を広げる

『カー・アンド・ドライバー』日本版では、多様な記事を通して自動車の魅力を伝えています。主な内容は以下の通りです。

新車速報・試乗記: 最新の自動車情報をいち早くお届けします。
懐かしの名車の特集: 往年の名車に関する特集記事や、旧車カタログの縮刷版を掲載し、ノスタルジーをくすぐります。
Driver's Information: 自動車業界のニュースや話題を取り上げます。
新車価格表: 最新の新車価格を掲載しています。
ズバリひと事: 読者からの意見や投稿を紹介するコーナーです。
フロントスクリーン: 自動車に関する様々なコラムやエッセイを掲載。
ユーザーの評価 不満と満足: 車両に関するユーザーレビューを掲載し、購入検討の参考となる情報を提供します。
CARクラブガイド I♥(ラブ)CARS: 自動車関連クラブの紹介など、愛車ライフを充実させる情報を提供します。
クルマの流行通信 定点観測: 自動車業界のトレンドや変化を分析する記事です。
好きなクルマ・きらいなクルマ: 読者や編集者の自動車に対する好みを紹介するコーナーです。
山内トモコのシネマレビュー: 映画評論家による自動車映画の紹介です。
毎日がモーターショー: 自動車関連の様々な情報を紹介するコーナーです。

執筆陣：経験豊富な執筆陣が誌面を彩る

日本版『カー・アンド・ドライバー』には、長年にわたり自動車ジャーナリズムを支えてきたベテランライター陣が名を連ねています。岡崎宏司氏、岡崎五朗氏、西川淳氏、森口将之氏、安東弘樹氏、山内トモコ氏、森永卓郎氏、潘恵子氏など、それぞれの分野で豊富な知識と経験を持つ執筆陣が、誌面の質を高めています。

まとめ：自動車への深い愛情と鋭い視点

『カー・アンド・ドライバー』は、アメリカ発祥の伝統ある自動車雑誌でありながら、日本版では独自の進化を遂げています。長年にわたる歴史と経験に裏付けられた質の高い記事、そして自動車への深い愛情と鋭い視点が、多くの読者を魅了し続けています。今後も日本の自動車文化を牽引する雑誌として、その存在感を示していくことでしょう。

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