インベーダー (テレビドラマ)

『インベーダー』：孤独な戦いを描いたSFドラマ

『インベーダー』は、1967年から1968年にかけてアメリカのABCで放送されたSFテレビドラマです。全43話からなるこの作品は、建築家が遭遇した異星人の侵略計画と、彼が孤独な戦いを繰り広げる姿を描いています。

ストーリー

建築家のデビッド・ビンセントは、深夜に車で帰宅中、人里離れた道で空飛ぶ円盤の着陸を目撃します。彼は、地球を征服しようと企む宇宙からの侵略者、すなわち「インベーダー」の存在を知ってしまいます。しかし、その事実を誰に訴えても信じてもらえません。ビンセントは、インベーダーの陰謀を暴くため、アメリカ全土を奔走することになります。

ビンセント以外にもインベーダーの存在に気づく者は現れますが、彼らは次々と命を落としていきます。そのため、ビンセントは常に孤独な戦いを強いられます。物語が進むにつれて、大企業の社長であるエドガー・スコービルという理解者が現れ、彼を支援しますが、ビンセントの戦いが終わることはありませんでした。

このドラマは、『逃亡者』と同じクイン・マーチン・プロダクションによって制作されました。『逃亡者』は、妻殺しの濡れ衣を着せられた医師が、真犯人を捜しながら逃亡を続ける物語ですが、『インベーダー』は、誰にも信じてもらえない男が、孤独な追跡と戦いを続けるという点で、『逃亡者』から強い影響を受けています。

インベーダーの特徴

インベーダーは、人類を滅ぼし、地球を征服するためにやってきました。彼らは「滅び行く星からの侵入者」であり、地球上では本来の姿を維持できないため、人間の姿を借りています。しかし、それにも関わらず、定期的に透明な円筒状の充電装置でエネルギーを補給しなければ消滅してしまいます。

外見は地球人と変わりませんが、彼らにはいくつかの特徴があります。例えば、手の小指が動かない（ただし例外も存在します）。また、脈拍や心臓の鼓動がなく、傷を負っても血が出ません。さらに、「生命の尊さ」という概念や感情を持たず、冷徹で人間らしい心が欠如しています（これも例外があります）。致命傷を負うと、赤く光り輝き、衣服や装備もろとも消滅してしまいます。酸素は彼らにとって猛毒です。なお、インベーダーにも性別は存在します。

劇中では、彼らの本当の姿が明かされることはありませんでした。

キャスト

デビッド・ビンセント：ロイ・シネス（日本語吹替：露口茂）
エドガー・スコービル：ケント・スミス（日本語吹替：島宇志夫）
* ナレーター（日本語版）：加藤和夫

ビデオソフトと関連作品

1989年には、本作を収録したビデオカセットが発売されました。2016年には、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントから、日本語吹替も収録されたDVD-BOXが発売されています。

また、本作の続編となるスペシャル版テレビドラマや、早川書房から刊行されたSF小説シリーズも存在します。

桑田次郎によって漫画化もされており、秋田書店の『まんが王』に掲載されました。この作品では、ビンセントが日本で少年と共にインベーダーに立ち向かう姿が描かれています。

まとめ

『インベーダー』は、異星人の侵略というSF的な題材を扱いながら、誰にも信じてもらえない主人公が孤独な戦いを強いられるという、サスペンスフルな展開が魅力のドラマです。ぜひ一度、その世界に触れてみてください。

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