インボイス (企業)

株式会社インボイス

株式会社インボイス（英称: INVOICE INC.）は、日本の東京都港区に本社を構える企業です。その主要な事業内容は、法人向けの請求書の一括発行・管理代行サービスと、集合住宅向けのインターネット接続サービスの提供にあります。これらのサービスを通じて、企業の経理業務効率化や、居住者への快適な通信環境提供に貢献しています。

沿革

同社の歴史は、1992年（平成4年）12月4日に「ゼネラル通信工業株式会社」として設立されたことに始まります。設立から数年を経て、2001年（平成13年）4月1日には現在の社名である「株式会社インボイス」へと変更しました。

その後、企業としての成長を背景に株式公開を目指し、2002年（平成14年）2月14日にはジャスダック市場に店頭登録を果たします。さらに市場での評価を高め、2003年（平成15年）9月16日には東京証券取引所市場第2部へ市場変更を行い、翌年の2004年（平成16年）9月1日には東証市場第1部への指定替えを実現しました。この上場市場のステップアップは、当時の同社の勢いを象徴する出来事と言えるでしょう。上場企業としての活動として、2004年（平成16年）10月25日には株主に対して新株予約権を付与する施策を実施しています。

事業活動以外にも、広報戦略の一環としてスポーツ分野への関与も見られました。2005年（平成17年）3月1日には、プロ野球チームである西武ライオンズの二軍の命名権（3年間）と、本拠地である西武ドームの命名権（2年間）を取得し、「インボイス」ブランドの認知度向上を図りました。しかし、これらの命名権契約は2006年（平成18年）12月31日をもって終了しています。

また、この時期には企業買収や資本提携といった経営戦略も積極的に展開しました。2006年（平成18年）8月25日には、ライブドアから株式を取得し、不動産事業などを手掛けるダイナシティと資本業務提携を結ぶことを発表しました。そして、同年12月25日にはダイナシティの子会社化を完了しました。

文化事業への取り組みとしては、2007年（平成19年）12月1日に六本木に「ブルーマン専用劇場インボイス劇場」を開場しました。これは、世界的パフォーマンス集団「ブルーマン」の常設劇場として運営されたものです。

一方で、経営の立て直しや事業ポートフォリオの見直しも行われます。2008年（平成20年）4月には、日本テレコムインボイス株式会社の保有株式を全て譲渡しました。また、2008年（平成20年）6月6日には、創業者である木村育生氏が代表取締役社長から会長職へと異動しています。

子会社化したダイナシティに関しては、2008年（平成20年）10月31日に民事再生手続を開始し、事実上の倒産に至るという事態が発生しました。この影響は同社の経営にも及びました。

劇場事業に関しても変化があり、2009年（平成21年）11月29日をもって「インボイス劇場」としての公演が千秋楽を迎え、翌日からの公演からは「六本木ブルーマンシアター」へと名称が変更されました。

2010年（平成22年）4月には、100％子会社であった株式会社インボイスJr.を吸収合併し、グループ内の再編を進めました。そして、同年12月2日には、経営陣による自社買収（マネジメント・バイアウト、MBO）を実施し、東京証券取引所市場第1部からの上場を廃止することを発表しました。このMBOに伴い、2011年（平成23年）4月30日をもって、同社の株式は上場廃止となりました。

その後、同社は非公開会社として事業を継続していましたが、2018年（平成30年）10月31日に転機を迎えます。芙蓉総合リース株式会社が日本政策投資銀行と共同で、ジーアイ・ホールディングスから同社の全株式を取得し、株式会社インボイスは芙蓉総合リースの連結子会社となりました。

関連情報

かつて、広島市民球場の内野3塁側に「請求書を一枚にする会社」というフレーズと共に広告看板を掲出していました。
創業者の木村育生氏は、日本プロバスケットボールリーグ（bjリーグ、現B.LEAGUE）の会長を務めていました。
旧マルコー・フテログループや旧ダーウィンの不動産部門であったインボイスRMは、一時期同社の子会社でしたが、後にアパマンショップグループの一員となっています。
六本木に開場したブルーマン専用劇場の名称は、最初にネーミングライツ契約に基づき「インボイス劇場」とされていました。

これらの沿革や関連情報は、株式会社インボイスが多角的な事業展開と資本戦略を推進しながら、変化の多い経営環境を乗り越えてきた歴史を示しています。

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