インヴィジブル・タッチ

ジェネシスの頂点：アルバム『インヴィジブル・タッチ』

1986年、ジェネシスは音楽史に輝く金字塔を打ち立てました。アルバム『インヴィジブル・タッチ』は、全英チャート1位、全米チャート3位を獲得し、世界中で大ヒットを記録。日本でも高い人気を博し、当時『インビジブル・タッチ』の邦題でリリースされました。

ピーター・ガブリエル脱退後、バンドはポップ路線へと舵を切り、その戦略は『インヴィジブル・タッチ』で華々しい成功を収めます。イエスやエイジアといったプログレッシブ・ロックの巨匠たちが商業的な成功を模索する中、ジェネシスは80年代において最も成功したプログレッシブ・ロックバンドの一つとなりました。この成功の背景には、フィル・コリンズのソロ活動での活躍が大きく貢献していることは否めません。

アルバムのタイトル曲であり、ジェネシス唯一の全米1位シングルとなった「インヴィジブル・タッチ」は、日本でノエビア化粧品のCMソングや、テレビ番組「情報プレゼンター とくダネ!」のテーマソングとして使用され、多くの日本人に親しまれています。さらに、このアルバムからは1年以上もの間、シングルが次々とリリースされ、「トゥナイト、トゥナイト、トゥナイト」「混迷の地」「イン・トゥー・ディープ」「エニシング・シー・ダズ」など、5枚もの大ヒットシングルが誕生しました。

これらの楽曲は、ジェネシスの洗練されたポップセンスと、プログレッシブ・ロックからの伝統を受け継いだ複雑な楽曲構成を見事に融合させたものとなっています。メロディーのキャッチーさ、演奏の技巧、そしてフィル・コリンズの力強いボーカルパフォーマンスが三位一体となり、聴くものを魅了する魅力に満ち溢れています。

アルバム『インヴィジブル・タッチ』は、単なる商業的な成功にとどまらず、ジェネシスの音楽的進化とポテンシャルを余すことなく示した作品と言えるでしょう。80年代の音楽シーンを彩った名盤として、今なお高い評価を受けています。

収録曲

ジェネシスの3人のメンバー、フィル・コリンズ、マイク・ラザフォード、トニー・バンクスが全曲の作詞・作曲に参加しています。

1. インヴィジブル・タッチ (Invisible Touch)
2. トゥナイト、トゥナイト、トゥナイト (Tonight, Tonight, Tonight)
3. 混迷の地 (Land of Confusion)
4. イン・トゥー・ディープ (In Too Deep)
5. エニシング・シー・ダズ (Anything She Does)
6. ドミノ (Domino)
7. スローイング・イット・オール・アウェイ (Throwing It All Away)
8. ザ・ブラジリアン (The Brazilian)

参加ミュージシャン

トニー・バンクス：キーボード、シンセベース
フィル・コリンズ：ボーカル、ドラム、パーカッション
* マイク・ラザフォード：ギター、ベース

『インヴィジブル・タッチ』は、単なるアルバムを超えた、ジェネシスの80年代における輝かしい足跡を示す重要な作品と言えるでしょう。その洗練されたサウンドと高い商業的成功は、音楽史に刻まれた重要な一ページです。

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