イン・コンサート(An Evening with Herbie Hancock & Chick Corea: In Concert)
『イン・コンサート』は、
1978年に
ハービー・ハンコックと
チック・コリアが共同で録音したライブアルバムです。このアルバムはハンコックの
レコードレーベルである
コロムビア・レコードからリリースされ、アメリカの音楽シーンにおいても重要な位置を占めています。
アルバムの背景
この作品は、ハンコックとコリアが行ったデュオツアーの一環として録音されました。1979年には、コリアの所属レーベルである
ポリドール・レコードからも『
イン・コンサート (デュオ・ライヴ)』という作品がリリースされ、同ツアーの模様が収められました。アルバムの特徴として、収録曲「処女航海」と「ラ・フィエスタ」のメドレーは、なんと片面の収録時間を超える35分にも及ぶという点が挙げられます。技術的な理由からノイズの増加や録音レベルの低下が見られるにもかかわらず、当初の録音がそのまま収められています。
反響と評価
リリース後、このアルバムはアメリカの
Billboard 200チャートで最高100位に達し、『
ビルボード』の
ジャズ・アルバム・チャートでは8位まで上昇しました。音楽評論家
スコット・ヤナウは
オールミュージックにおいて、このアルバムに対して5点満点中4点を付与し、フュージョン全盛期の中でアコースティック・デュオによるツアーが新鮮であったことを評価しました。また、特に
ピアノの名曲「Liza」ではハンコックとコリアのストライド奏法が聴けることで、当時のリスナーにとって驚きの体験であったと述べています。
収録曲
アルバムは2枚のディスクで構成されており、それぞれに魅力的なトラックが収められています。
ディスク1
1.
サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム - 12:39
(作曲: Frank Churchill, Larry Morey)
2.
ライザ - 9:01
(作曲: George Gershwin, Ira Gershwin, Gus Kahn)
3.
バトン・アップ - 17:38
(作曲: Herbie Hancock, Chick Corea)
ディスク2
1.
Introduction of Herbie Hancock by Chick Corea - 0:41
2.
フェブラリー・モーメント(2月の出来事) - 15:46
(作曲: H. Hancock)
3.
処女航海 - 13:30
(作曲: H. Hancock)
4.
ラ・フィエスタ - 22:01
(作曲: C. Corea)
参加ミュージシャン
このアルバムは、今もなお多くの音楽ファンにとって特別な意味を持つ名盤であり、彼らの才能と革新性を堪能できる一枚です。