イン・フォー・ザ・キル

『イン・フォー・ザ・キル』（原題：In for the Kill!）は、ウェールズ出身のハードロックバンド、バッジーが1974年に発表した4枚目のスタジオ・アルバムです。

制作背景

オリジナル・ドラマーのレイ・フィリップスの脱退後、ピート・ブートが後任として加入し、本作の制作に参加しました。しかし、ブートは本作限りでバンドを脱退しています。また、「クラッシュ・コース・イン・ブレイン・サージェリー」は、元々1971年にシングルとして発表された楽曲で、本作には別ミックスのバージョンが収録されています。

反響と評価

本作はバッジーにとって初の全英アルバムチャート入りを果たし、最高29位を記録しました。チャートには3週間ランクインしています。音楽評論家のGreg Pratoは、オールミュージックにおいて5点満点中3点を付け、「過去の作品と同様に、ギタリストのトニー・ボージによる壮大なメタルリフと、ベーシストのバーク・シェリーによる特徴的なボーカルが際立っている」と評価しています。

楽曲について

アルバムのタイトル曲でもある「イン・フォー・ザ・キル」は、無名時代のヴァン・ヘイレンがライブでカバーしていました。また、「クラッシュ・コース・イン・ブレイン・サージェリー」は、メタリカが1987年に発表したEP『メタル・ガレージ』でカバーしています。メタリカのラーズ・ウルリッヒによれば、この曲とキリング・ジョークのカバーである「ザ・ウェイト」は、以前からメタリカのレパートリーにあった曲ではなく、『メタル・ガレージ』のために初めて取り上げられた曲だったとのことです。

収録曲

1. イン・フォー・ザ・キル - "In for the Kill" – 6:32
2. クラッシュ・コース・イン・ブレイン・サージェリー - "Crash Course in Brain Surgery" (Burke Shelley, Tony Bourge, Ray Phillips) – 2:39
3. ワンダリング・ホワット・エヴリワン・ノウズ - "Wondering What Everyone Knows" – 2:56
4. ズーム・クラブ - "Zoom Club" – 9:56
5. ハンマー・アンド・トングス - "Hammer and Tongs" – 6:58
6. ランニング・フロム・マイ・ソウル - "Running from My Soul" – 3:39
7. リヴィング・オン・ユア・オウン - "Living on Your Own" – 8:54

参加ミュージシャン

バーク・シェリー - ボーカル、ベース
トニー・ボージ - ギター
* ピート・ブート - ドラムス

『イン・フォー・ザ・キル』は、バッジーの音楽性を確立した重要な作品として、現在も多くのファンに愛されています。

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