イン・レインボウズ

『イン・レインボウズ』

『イン・レインボウズ』（英語: In Rainbows）は、イギリスのロックバンドレディオヘッドが2007年にリリースした7枚目のアルバムです。このアルバムは、音楽業界において革新的なリリース方法が採用され、特に価格をリスナーが自由に選べる形態が話題となりました。さらに『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』において336位にランクされ、その評価の高さも伺えます。

リリースの背景

アルバムの存在は2007年10月1日にギタリストのジョニー・グリーンウッドのブログを通じて初めて公表され、続いて公式サイトでの発表が行われました。その内容では、限定ボックスセットが12月3日に直販されることが伝えられ、そのボックスセットには新曲のB面や豪華なアートワークが含まれることが明らかにされました。また、ダウンロード販売も同時に開始され、リスナーは作品の価格を0円から無制限に設定できるという前代未聞の方式が導入されました。このスタイルは、レコード会社を介さない形で流通するため、メディアに取り上げられることになりました。

このダウンロード方式は、全世界で多くの議論を引き起こし、「レディオヘッドが音楽業界の構造を問い直している」との観点から評価されました。一部では「音楽業界に対する敵対的なアプローチではない」とメンバー自身が強調し、また音楽の価値やリスナーとの関係についても言及されています。ダウンロード販売ではリスナーは約4ポンド（約1000円）で購入したとされ、通常盤も両チャートで1位を獲得しました。

プロダクションとサウンド

アルバム制作は、前作『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』のツアー後約1年間の休暇を経て、バンドがオックスフォードに籠もり3年間活動した結果として完成しました。全体的にエレクトロニカの要素は控えめで、サウンドは前作よりシンプルなビート感が強化されています。プロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチに言わせれば、音響やプロダクションレベルはキャリアの中でも特に高く、作品は「基本的にポジティブなレコード」とトム・ヨークによって評されました。

収録曲とスタイル

このアルバムには、5拍子のエレクトロナンバー「15 Step」をはじめ、ロック色の強い「Bodysnatchers」、バラード「All I Need」など多様なスタイルの楽曲が収められています。各楽曲の作詞・作曲は全てメンバーが関与し、音楽的実験が感じられる作品が揃っています。

ビジュアルと文化的影響

特に「Videotape」はアルバムのエンディングトラックとして適用され、最後に配置されることでこうしたサウンドに独特な印象を与えています。この作品は、批評家からも称賛され、音楽業界において新たなリリース形態の可能性を示す根源的な文化的影響を持った一枚となっています。レディオヘッドの革新性と進化を感じさせる作品であり、今後の音楽シーンに与える影響は計り知れません。

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