イヴァノヴォ

イヴァノヴォ（イワノヴォ）は、ロシア連邦イヴァノヴォ州の州都であり、モスクワの北東約300kmに位置しています。人口は約36万人（2021年）を擁し、古くから「ロシアの織物の首都」として知られてきました。この都市は、織物産業に従事する女性労働者が多かったことから「花嫁の都市」という異名も持っています。また、フランスの著名な文学者ナタリー・サロートの出身地としても知られています。

歴史

イヴァノヴォという地名は、1561年の文献に初めて登場します。元々は亜麻織物を作る小さな村でしたが、17世紀には商業都市として発展しました。1710年には、ピョートル大帝によって織物工場が建設され、イヴァノヴォは繊維産業の中心地としての地位を確立しました。19世紀には、ロシアの繊維産業を牽引する存在となり、「ロシアのマンチェスター」と呼ばれるほどの繁栄を迎えました。

1871年には、隣接する工業都市ヴォズネセンスキー・ポサドと合併し、「イヴァノヴォ・ヴォズネセンスク」と改名されました。その後、1932年に正式名称が再び「イヴァノヴォ」に戻されました。20世紀初頭には、ポーランドの繊維都市ウッチ（当時ロシア帝国領）とヨーロッパ第一の繊維生産都市の座を争っていました。しかし、労働者の生活環境は劣悪で、ストライキが頻発しました。これらのストライキの一つは、1905年のロシア第一革命へと繋がっていきます。1905年5月には、イヴァノヴォの労働者たちがイヴァノヴォ・ソヴィエト（労働者による評議会）を設立し、これはサンクトペテルブルクのソビエトと並び、ロシアにおける初期のソビエトの一つとなりました。

第二次世界大戦後には、第48収容地区（グラーグ）が設置され、シベリア抑留を受けた日本人捕虜が遠路移送され、強制労働に従事させられました。この歴史は、イヴァノヴォの暗い一面として語り継がれています。

経済と文化

現在でも、イヴァノヴォの主要な産業は繊維工業ですが、化学工業や機械工業も立地しています。ソ連崩壊後、繊維産業は大きな打撃を受け、イヴァノヴォ州の経済はロシア国内でも厳しい状況にあります。しかし、イヴァノヴォ州立大学、イヴァノヴォ医科大学、イヴァノヴォ州立電力大学などの教育機関があり、地域を支えています。また、ソ連時代には、共産党指導者の子弟が通う「インタードーム」という学校が1933年に建設されました。

イヴァノヴォには、美術館や博物館も存在し、イコン、バロック美術、近代美術などの貴重なコレクションを所蔵しています。構成主義建築やアール・ヌーヴォーの建物も数多く残っており、特にオペラ座は構成主義建築の代表的な例として知られています。これらの建築物は、イヴァノヴォの歴史と文化を物語っています。

姉妹都市

イヴァノヴォは、以下のような都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ハノーファー（ドイツ）
カザン（ロシア）
ウッチ（ポーランド）
プレイノ（アメリカ合衆国）
プロヴディフ（ブルガリア）
スタッフォードシャー（イギリス）
フメリニツキー（ウクライナ）
フェルガナ（ウズベキスタン）

関連項目

イヴァノヴォ市電（廃止）

外部リンク

イヴァノヴォを歩く
Ivanovo official website
Ivanovo official business website
* Ivanovo business informational website

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