共産党

共産党の概要

共産党は、共産主義を理念とする政党であり、そのメンバーは共産党員と呼ばれています。多数の共産党がカール・マルクス、フリードリヒ・エンゲルス、ウラジーミル・レーニンなどの理論を基盤とし、党組織においては、しばしばレーニン主義に従った形での運営が行われています。具体的には、外部的には「前衛党理論」を掲げ、内部では「民主集中制」を採用することが一般的ですが、その実施の内容は国ごとに異なる場合があります。

共産主党が政権を握る共産圏では、一党独裁体制が形成されることが一般的ですが、非共産圏においてもサンマリノ、キプロス、ネパール、モルドバ、ブラジルなどの国々では、共産党が連立与党として参加しながら民主主義制度が維持されています。

ユーロコミュニズムの登場

1970年代に入ると、フランス、イタリア、スペインなどの西側諸国の共産党が新たに「ユーロコミュニズム」を主張し、ソ連共産党から距離を置きました。この動きは、暴力革命やプロレタリア独裁といった従来の路線を放棄し、複数党制や議会制民主主義の重要性を認めるという方向へと進むものでした。

歴史的背景

「共産党」という名称は、カール・マルクスの『共産党宣言』に由来していますが、第一次世界大戦以前は、各国のマルクス主義者は社会党や社会民主党、労働党という名前を使用していました。当時の「共産主義」と「社会民主主義」はしばしば同義語として扱われていました。
特に第一次世界大戦とロシア革命の文脈で、ロシア社会民主労働党左派のボルシェビキが1918年に「ロシア共産党」と名乗り、それに続く形で各国社会民主と左派が「共産党」を設立し、「共産主義者」や「マルクス・[[レーニン主義]]者」を自称し、社会民主主義とは異なる立場をとり始めました。これを契機に、多くの国で共産党と社会民主主義政党が主な左翼勢力として対立関係になります。

コミンテルンとその影響

当初、各国の共産党は国際共産党（コミンテルン）によって統一されていましたが、コミンテルンが解散した後は、各国の共産党が自主的な行動を強めました。特に第二次世界大戦後には、各国共産党間で激しい路線対立が繰り広げられました。1956年のスターリン批判および中ソ対立は、この運動に大きな影響を与えました。

現代の共産党

現在、多くの国において共産党は、マルクス・[[レーニン主義]]の原則を部分的または完全に放棄している事例があります。1980年代末の東欧革命によって、一部の共産党が社会民主主義政党に転換することが見受けられ、これにより共産主義的理念が縮小したケースもあります。中国共産党は、一党独裁を堅持しながら経済的には市場主義を取り入れたため、特異な存在となっているともいえます。

一方、キプロスのように共産主義を掲げつつも市場経済と複数政党制を残している国も存在します。モルドバにおける共産党は、実態としては中道右派政党との見方もされています。このように、世界の各国における共産党の立ち位置や政策は多様性に富んでおり、単一の理念では語れない複雑な状況が続いています。

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