イ・ポメリッジ・ムジカーリ

イタリアのミラノを拠点とする歴史あるオーケストラ、「イ・ポメリッジ・ムジカーリ」（I Pomeriggi Musicali）は、第二次世界大戦終結直後の1945年に創立され、イタリア音楽界において独自の地位を確立してきました。音楽評論家のフェルディナンド・バッロの構想に基づき誕生し、初代指揮者にはニーノ・サンツォーニョが就任しました。

設立当初からオーケストラが掲げた主要な方針の一つは、古典派の巨匠たちによる普遍的なレパートリーから、誕生間もないコンテンポラリー作品まで、極めて幅広い時代とスタイルの音楽をプログラムに組み込むことでした。この多様性は、戦後の新たな時代における音楽の可能性を探求し、聴衆に刺激的な体験を提供することを目指すものでした。

中でも、イ・ポメリッジ・ムジカーリはイタリア人作曲家の作品の紹介と再評価に情熱を注いできました。特に、戦時中の体制との関連から、その後の演奏機会が限られがちだったジャン・フランチェスコ・マリピエロ、アルフレード・カゼッラ、イルデブランド・ピツェッティ、オットリーノ・レスピーギといった重要な作曲家たちの作品を積極的に取り上げ、イタリア音楽史における彼らの位置づけを再確認する上で重要な役割を果たしました。

また、現代を生きるイタリアの作曲家たちにも光を当て続けています。ジャコモ・マンゾーニ、フランコ・マルゴーラ、フランチェスコ・ペンニージ、フラヴィオ・テスティ、マルコ・トゥティーノ、マルチェッロ・パンニ、イヴァン・フェデーレ、ルカ・フランチェスコーニ、ファビオ・ヴァッキなど、多岐にわたる個性を持つ現代作曲家たちの新作や主要作品を積極的に紹介し、イタリアの現代音楽の多様な潮流を国内外に発信する拠点ともなっています。

このように、過去の音楽遺産と現在の創造活動を結びつける橋渡し役を担ってきたイ・ポメリッジ・ムジカーリは、長年にわたり多くの著名な音楽家たちと共に活動を展開してきました。2013年からはマウリツィオ・サレルノが芸術監督としてその音楽的方向性を率いています。イタリアの音楽文化の発展に貢献し続けるこのオーケストラは、現在もミラノの音楽シーンの中心的存在であり続けています。

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