オットリーノ・レスピーギ

オットリーノ・レスピーギ

オットリーノ・レスピーギ（1879年7月9日 – 1936年4月18日）は、イタリアの著名な作曲家、音楽学者、指揮者であり、特に近代イタリア音楽における器楽曲の開拓者として知られています。ボローニャで生まれたレスピーギは、音楽的な背景を持つ父の指導を受け、ボローニャ高等音楽学校で教育を受けました。彼は初めは演奏家として、特にヴァイオリンとヴィオラの演奏で活躍しましたが、その後作曲の道に進みました。

レスピーギの名前を広めたのは彼の交響詩「ローマ三部作」で、これには『ローマの噴水』『ローマの松』『ローマの祭り』が含まれています。これらの作品は、ローマの景観や文化を豊かに描写しており、彼独自の音楽語法とイタリア的な風情が融合しています。レスピーギはまた、古楽に基づく作品も残しており、16世紀から18世紀の音楽にも強い関心を持っていました。

経歴

レスピーギはボローニャで音楽教師の父のもとでピアノとヴァイオリンを学びました。その後、ボローニャ高等音楽学校にて、フェデリコ・サルティからヴァイオリンとヴィオラを、ジュゼッペ・マルトゥッチから作曲を、ルイージ・トルキから音楽史を学びました。1899年にヴァイオリンのディプロマを取得後、ロシアに赴任し、演奏家としての経験を積む中で、ニコライ・リムスキー＝コルサコフからの指導を受け、音楽的な成長を遂げました。

サンクトペテルブルクから戻った後、レスピーギは作曲に専念し、再びボローニャに戻りました。1913年にはローマに移り、サンタ・チェチーリア国立アカデミアの教授に就任しました。彼の交響詩『ローマの噴水』は、初演時には成功しませんでしたが、アルトゥーロ・トスカニーニの指揮による再演で大成功を収め、作曲家としての地位を確立しました。その後も彼は教職に従事しつつ、音楽活動を続けました。1923年には院長に就任し、音楽教育と作曲を両立させましたが、作曲の時間が減少することとなりました。

作風

レスピーギの作風は、初期の擬古典主義的なものから、自由な形式や拡張した和声法、そしてダイナミックな表現が特徴となりました。彼は特にフランス印象派からの影響を受けつつも、独自のオーケストラの色彩感覚を生み出しました。また、彼はイタリアにおける古楽復興の先導者としても知られ、古典的な形式や旋律と現代的な音楽語法を融合することに力を入れていました。

主要作品

レスピーギの作品は多岐にわたりますが、声楽曲、オペラ、バレエ音楽、および管弦楽曲が特に有名です。声楽作品にはカンタータやオペラがあり、音楽だけでなく、文学的な側面にも重みを持たせています。彼のバレエ音楽や管弦楽作品も高く評価され、特に『ローマ三部作』は彼の代表作として知られています。彼のピアノ協奏曲や器楽曲も数多く存在し、広範なレパートリーが彼の名声を支えています。

最晩年と遺産

晩年のレスピーギは健康問題に悩まされながらも、作曲を続けていました。しかし、1936年に心臓病により亡くなり、ローマに埋葬されましたが、後に故郷ボローニャに遺体が移されました。彼の音楽は現在でも多くの演奏会で演奏され、録音も数多く残されており、イタリア音楽の重要な部分を担う存在として記憶されています。

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