イーゴリ・イワノフ

イーゴリ・セルゲーエヴィチ・イワノフ

イーゴリ・セルゲーエヴィチ・イワノフ（Igor Sergeevich Ivanov、1945年9月23日 - ）は、ソビエト連邦およびロシア連邦の政治家であり、外交官です。彼は、ウラジーミル・プーチン政権において、第3代の外務大臣、そして第11代のロシア連邦安全保障会議書記という要職を歴任しました。

経歴

1945年9月23日、イワノフはソビエト連邦のロシア・ソビエト連邦社会主義共和国のモスクワで誕生しました。1969年にモスクワ外国語国立大学を卒業後、1973年までソ連科学アカデミー世界経済国際関係研究所（IMEMO）の研究員として勤務しました。

1973年、イワノフはソ連外務省に入省し、外交官としてのキャリアをスタートさせます。第1欧州課二等書記官、駐マドリードソ連通商代表部先任技官を経て、1977年には駐スペイン大使館の一等書記官、参事官、公使などを歴任し、主にスペイン関連の部署でその手腕を発揮しました。

1983年にソ連外務省本省に戻ると、第1欧州課専門官となります。その後、外相顧問、外相補佐官、官房長、総書記局次長、第1次長、局長、参事など、本省の要職を歴任しました。

1991年にはスペイン大使に転じ、この時期にソ連崩壊という歴史的な出来事を経験しますが、引き続きロシア連邦のスペイン大使として職務を継続しました。1994年9月にはロシア外務次官に任命され、同年11月には外務第一次官兼外務大臣官房長官に就任しました。

1998年9月、エフゲニー・プリマコフ外務大臣が首相に就任したことに伴い、イワノフは外務大臣代行となり、同年9月11日には正式に外務大臣に任命されました。外務大臣として、イワノフは前任のプリマコフと同様に、ロシアの国益を重視した外交路線を推進しました。プーチンが大統領に就任した後も、引き続き外務大臣として留任し、また、デイトン合意におけるボスニア和平交渉では共同議長を務めました。

2004年3月9日、外務大臣の職をセルゲイ・ラブロフに引き継ぎ、ウラジーミル・ルシャイロの後任として、安全保障会議書記に就任しました。

しかし、グルジアへの経済制裁とCFE条約履行停止をめぐる大統領との意見の相違が徐々に表面化し、2007年7月18日、安全保障会議書記を辞任しました。

人物

既婚者であり、一女をもうけています。英語とスペイン語に堪能であり、外交官としては、特命全権大使の等級に相当します。

イワノフは、長年にわたる外交官としての経験を通じて、ロシア外交に多大な貢献を果たしました。特に、スペインとの関係構築においては、その手腕が高く評価されています。また、外務大臣として、ロシアの国益を重視した外交を展開し、国際社会におけるロシアの地位向上に尽力しました。

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