ウラジーミル・ルシャイロ

ウラジーミル・ボリソヴィチ・ルシャイロは、ロシア連邦の政治家であり、内務省官僚出身のシロヴィキ（治安担当者）として知られています。彼は、人質解放の強行作戦実行に関する専門家であり、ボリス・エリツィン政権とウラジーミル・プーチン政権という、ロシアの政治において重要な時期に、内務大臣、ロシア連邦安全保障会議書記、CIS（独立国家共同体）執行議長及び書記といった要職を歴任しました。

生い立ちと内務省でのキャリア

1953年7月28日、ルシャイロはソビエト連邦時代のロシア、タンボフ州タンボフ市で誕生しました。1972年から内務省に入り、そのキャリアをスタートさせます。1976年には、ソ連内務省オムスク高等民警学校を卒業。卒業後はモスクワ内務総局刑事捜索部で、刑事としての経験を積みました。

1986年からは、組織犯罪対策の分野に従事し、モスクワ市内の両替店の監督を担当。1988年から1993年までは、モスクワ刑事捜索部第6課長として、匪賊や組織犯罪対策の指揮を執りました。1992年には地域組織犯罪対策局長に就任し、1994年には民警少将の階級を得ています。

要職を歴任

1995年3月、テレビジャーナリストのウラジスラフ・リスチエフ殺害事件に関連して、株式会社「LogoVAZ」社長であったボリス・ベレゾフスキーの事務所を捜索したことで、注目を集めます。1996年10月には、組織犯罪対策総局第一副総局長に任命され、同年12月にはロシア安全保障会議に出向。1996年から1998年まで、連邦院議長の法務問題・安全保障担当顧問を務めました。

1998年5月9日、ロシア連邦内務次官に任命され、中将に昇進。チェチェンにおけるロシア要人誘拐事件の解決に尽力しました。1999年5月31日には、セルゲイ・ステパーシン内務大臣が首相に就任したことを受け、後任の内務大臣に就任し、大将に昇進。2001年3月28日には、安全保障会議書記に就任しました。安全保障会議書記としては、中国を訪問し、中露関係の緊密化に貢献するなど、外交面でもその手腕を発揮しました。

2004年6月12日には、CIS（独立国家共同体）執行委員会議長に就任。上院議員を経て、2008年8月22日には国際法律経済大学学長に就任し、教育分野でも活躍しました。

人物像

ルシャイロは妻帯しており、3人の子供がいます。「勇気」勲章、「名誉」勲章、「個人的勇気に対する」勲章並びに「MVD功労職員」記章を受賞しており、その功績が認められています。

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