イーサン・ブラックアダー

イーサン・ブラックアダー（Ethan J. Blackadder）は、1995年 3月22日に生まれたニュージーランド出身のラグビーユニオン選手です。主にフランカーとしてプレーし、そのフィジカルと運動能力で高く評価されています。国内最高峰のラグビーリーグであるBunnings NPCではタスマンに、そしてスーパーラグビーでは強豪クルセイダーズに所属しています。彼の父親は元オールブラックスの選手であり、現在は東芝ブレイブルーパス東京のヘッドコーチを務めるトッド・ブラックアダーです。親子二代にわたるラグビー一家の出身として、幼い頃からラグビーに親しんできました。

学生時代

学生時代、イーサンはネルソン・ラグビー・クラブでラグビーのキャリアをスタートさせました。地元のネルソン・カレッジで2008年から2012年まで学びながら、基礎を培いました。

タスマンでのキャリア

タスマンマコズでの公式戦デビューは、2016年のマイター10カップ（現在のBunnings NPC）第4節、ダニーデンで行われたオタゴ戦でした。国内リーグで経験を積み重ねたイーサンは、チームの中心選手へと成長します。特に2019年には、タスマンマコズが初めてマイター10カップで優勝したチームの一員として歴史的なタイトル獲得に貢献しました。翌2020年シーズンは残念ながら怪我によりリーグ戦を欠場することになりましたが、タスマンマコズはイーサン不在ながらもプレミアシップで2年連続の優勝を果たしました。

クルセイダーズでの成功

スーパーラグビーでは、2018年シーズンに名門クルセイダーズのスコッド入りを果たしました。彼のスーパーラグビーデビューは、その年の第10節、サンウルブズ戦でした。すぐに頭角を現したイーサンは、そのシーズンのクルセイダーズのルーキー・オブ・ザ・イヤーに選ばれる活躍を見せました。クルセイダーズの一員として、数々の栄光を経験しています。特に印象的なのは、2021年のスーパーラグビー・アオテアロア決勝です。チーフスを相手に24対13で勝利し、クルセイダーズのスーパーラグビーにおける5連覇達成に貢献した試合で、イーサンはフルタイムでプレーしました。この素晴らしいシーズンパフォーマンスが認められ、2021年のクルセイダーズアワードでは、チームメイトからの投票によりチャンピオンクルセイダー・オブ・ザ・イヤーに輝きました。しかし、2022年のスーパーラグビーパシフィックシーズン終盤にシーズンを棒に振る大きな怪我を負ってしまいます。それでもチームは彼の不在中も勝ち進み、決勝でブルーズを7対21で破り、スーパーラグビーのタイトルを獲得しました。

オールブラックスでの挑戦

クルセイダーズでの目覚ましい活躍が評価され、イーサンは2021年7月のスタインラガーシリーズに臨むオールブラックスのメンバーに初めて選ばれました。トンガ代表とフィジー代表とのテストマッチに向けたスコッド入りです。マウント・スマート・スタジアムで行われたトンガ代表戦で念願のオールブラックスデビューを果たし、ニュージーランド代表として1195番目のキャップ保持者となりました。このデビュー戦ではリザーブからの途中出場でしたが、オールブラックスは102対0という圧倒的なスコアで勝利を収めました。その後、2021年のラグビーチャンピオンシップや年末のヨーロッパ遠征メンバーにも継続して選出されるなど、代表での地位を確立していきました。2023年のラグビーワールドカップフランス大会では当初スコッドに含まれていませんでしたが、大会開幕直前にエモニ・ナラワ選手が背中を負傷したため、その代替選手として追加招集され、自身初のワールドカップ参加となりました。

イーサン・ブラックアダーは、その強靭なフィジカルと献身的なプレーで、ニュージーランドラグビー界において重要な存在感を示しています。今後のさらなる活躍が期待される選手です。

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