ダニーデン

ダニーデン：スコットランドの面影を色濃く残すニュージーランドの学園都市

ダニーデンは、ニュージーランド南島オタゴ地方に位置する都市で、人口は約13万7千人（2018年現在）を擁します。南島ではクライストチャーチに次ぐ規模を誇り、スコットランドの文化が強く残る独特の雰囲気が特徴です。スコットランドからの移民によって開拓された歴史を持ち、「南のエディンバラ」とも称されるほどです。

スコットランド文化が息づく街並み

ダニーデンの街並みは、起伏に富んだ地形と坂道が多く、スコットランドの面影を色濃く残しています。これは、1848年にスコットランド自由教会からの移民によって開拓されたことに由来します。街の名前であるダニーデンも、ゲール語でエディンバラを意味します。現在でもスコットランド系の住民が多く、街の随所にスコットランド文化が息づいています。

学園都市としての顔

オタゴ大学が立地するダニーデンは、学園都市としての側面も持ち合わせています。学生が地域人口の22%を占め、30歳以下の若年層が45%と、若者が多く活気にあふれています。そのため、学生向けの施設やサービスが充実しているのも特徴です。

ゴールドラッシュと発展の歴史

1861年にダニーデン近郊のガブリエル渓谷で金脈が発見されたことで、ゴールドラッシュが起こり、世界各地から採掘者が集まりました。これにより、ダニーデンの人口は急増し、産業物流拠点として大きく発展しました。ニュージーランド銀行の本店が置かれ、世界各地への送金業務を担うなど、ニュージーランド経済の繁栄に大きく貢献しました。ゴールドラッシュの終焉後も、その経済的な繁栄によって、ビクトリア様式やエドワード様式の建物が数多く建てられ、当時の繁栄を今に伝えています。また、冷凍食肉技術の開発により、1882年にはイングランドへの輸出を開始、その後、オセアニアや南アメリカへと販路を拡大し、ダニーデンの経済成長を牽引しました。

気候

ダニーデンの気候は、年間平均降水量が812mm、年間平均日照時間は1585時間です。山間部では降水量が多く、夏季の平均気温は15℃、冬季の平均気温は8℃と、比較的温暖な気候です。ただし、冬季は霧雨の日が多く、山間部では雪が降ることもあります。山間部では特に寒暖差が激しく、「1日に4つの季節がある」と言われるほどです。

見どころ：歴史的建造物と自然

ダニーデンの中心部は、「オクタゴン」と呼ばれる八角形の広場を中心として街が区画整備されています。周辺には、セント・ポール大聖堂やダニーデン・パブリック・アートギャラリーなどがあり、歴史的な建造物を見ることができます。また、ラーナック城、ダニーデン鉄道駅、オタゴ男子高校、ファーストチャーチなどの観光名所も点在しています。世界一急な坂道としてギネスブックにも認定された「ボールドウィン・ストリート」も有名です。

自然豊かなオタゴ半島

ダニーデンからほど近いオタゴ半島は、海洋生物や野生生物の宝庫として知られています。シロアホウドリ、ペンギン、アシカ、イルカなど、多様な野生動物が生息しており、特にアホウドリは人間の生活圏に接近して繁殖する世界でも珍しい場所です。エコツアーも開催されており、野生動物観察を楽しむことができます。かつてはモア、ワイタハペンギン、ミナミセミクジラなどの大型生物も生息していましたが、乱獲などにより数を減らしました。現在では、絶滅したと思われたアシカの別系統群が再定着し、保護活動が行われています。また、オタゴ半島沖の海溝には、深海性の鯨類をはじめとする多様な生物が生息しており、海洋生物の調査が進められています。

交通

ダニーデンは、南島の各都市を結ぶ高速バスの拠点であり、クライストチャーチへは約5.5時間、インバーカーギルへは約3時間で移動できます。また、フィヨルドランド国立公園へ向かう拠点ともなっています。ダニーデン国際空港からは、クライストチャーチ、オークランド、ウェリントンへの国内線と、オーストラリアのブリスベン、メルボルン、シドニーへの国際線が就航しています。

教育機関

ダニーデンには以下の教育機関があります。

オタゴ大学
オタゴポリテクニック
アオラキポリテクニック（ダニーデンキャンパス）

姉妹都市

ダニーデンは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

小樽（日本）
エディンバラ（スコットランド）
上海（中国）
* ポーツマス（アメリカ合衆国）

ダニーデンは、歴史と文化、自然が調和した魅力的な都市です。スコットランドの文化に触れながら、美しい景色や野生動物観察を楽しむことができるでしょう。

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