トッド・ブラックアダー

ニュージーランド南島、ランギオラ出身のトッド・ブラックアダー（Todd Julian Blackadder）氏は、1971年9月20日に生を受けました。彼はニュージーランド代表のキャプテンを務めた輝かしい現役時代を経て、現在はトップリーグ（現JAPAN RUGBY LEAGUE ONE）に所属する東芝ブレイブルーパス東京のヘッドコーチとしてチームを率いています。また、息子であるイーサン・ブラックアダー氏も同じくラグビーニュージーランド代表に選ばれるなど、親子二代にわたるラグビー一家としても知られています。

ブラックアダー氏の選手としてのキャリアは、1996年にニュージーランド国内選手権であるNPC（当時）のカンタベリーに加入したことから始まります。彼は2001年までカンタベリーでプレイし、128試合に出場しました。同年からは、南半球のクラブ最高峰リーグであるスーパー14（当時）のクルセイダーズでも活動を開始し、こちらも2001年まで在籍しました。現役時代の主なポジションはフォワード第3列のナンバーエイトやフランカー、そして第2列のロックと、様々なポジションでその才能を発揮しました。特にクルセイダーズでは、1997年から2001年まで正キャプテンの重責を担い、リーダーシップを発揮。チームを3度にわたるスーパーラグビー優勝へと導くという、不朽の功績を残しました。クルセイダーズでの出場試合数は71試合に及びます。

国際舞台では、1995年にラグビーニュージーランド代表、通称オールブラックスに初めて選出されます。代表デビューは同年10月25日にイタリアのカターニアで行われたテストマッチでした。彼は2000年までオールブラックスの一員としてプレイし、通算12キャップを獲得。そのうち10試合ではキャプテンとしてチームを牽引するという、キャプテンシーも高く評価された選手でした。

2001年11月、ブラックアダー氏はニュージーランドを離れ、ヨーロッパのケルティックリーグに参戦するスコットランドのエディンバラへ移籍しました。このチームでは2004年に現役引退を表明するまでプレイを続け、75試合に出場。海外での挑戦を経て、プレイヤーとしてのキャリアに幕を下ろしました。

引退後、ブラックアダー氏はすぐに指導者としての道を歩み始めます。エディンバラ在籍中から、2003年から2004年にかけてラグビースコットランド代表のアシスタントコーチを務めました。エディンバラでの現役引退後、2005年から2006年には同チームのヘッドコーチとして指揮を執るなど、ヨーロッパで指導経験を積みました。

2006年にはニュージーランドへ帰国し、古巣であるクルセイダーズの技術指導コーチに就任。翌2007年にはNPCに参加するタズマンのラグビーディレクター兼ヘッドコーチを務めるなど、ニュージーランド国内でも指導力を発揮します。そして、2008年シーズン限りでクルセイダーズのヘッドコーチを退任したロビー・ディーンズ氏の後任として、同年7月23日にクルセイダーズのヘッドコーチに正式に就任しました。彼は2016年シーズンまでこのポストを務め、チームを率いました。

クルセイダーズを離れた後、ブラックアダー氏は再びヨーロッパへ渡ります。2018年から2019年シーズンにかけて、イングランド最高峰のプレミアシップに所属するバース・ラグビーでヘッドコーチを務めました。

そして、2019年6月には日本の東芝ブレイブルーパスのヘッドコーチに就任。日本のラグビー界に活躍の場を移しました。現在は東芝ブレイブルーパス東京（チーム名変更後）のヘッドコーチとして、チームの強化と勝利のために尽力しています。選手としても指導者としても、世界各国のトップレベルで経験を積んだ、ニュージーランドラグビー界を代表する人物の一人です。

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