イース (OVA)

イースOVA作品群：ゲームを凌駕するアニメーションの世界

日本ファルコムの代表的アクションRPGシリーズ「イース」。その魅力的な世界観と冒険譚は、ゲームの枠を超え、OVA作品としてアニメーション化されました。本稿では、イースシリーズを原作とするOVA作品群について、その概要、あらすじ、キャスト、スタッフ、主題歌、そしてサウンドトラックまで、詳細にわたって解説します。

発売済みのOVA作品

現在までに発売されているOVA作品は、『イース』と『イース天空の神殿〜アドル・クリスティンの冒険〜』の2作品です。どちらも、ゲーム版『イースI』と『イースII』をベースに制作されていますが、ストーリー展開においてはゲーム版を大きくアレンジしており、アニメーションオリジナルの要素も数多く盛り込まれています。そのため、ゲームをプレイ済みの方でも新鮮な驚きと感動が味わえる作品となっています。

イース (1989年-1991年)

『イースI』を原作とするOVA作品。全7巻の構成で、VHSとLDでリリースされました。2001年には、『イースI・II完全版』の初回限定特典として、全7話を収録したDVD版が発売されています。

イース天空の神殿〜アドル・クリスティンの冒険〜 (1992年-1993年)

『イースII』を原作とするOVA作品。全4巻の構成で、キングレコードと角川書店からVHSとLDが発売されました。VHS版は、キングレコード版と角川書店版でジャケットデザインが異なる点が特徴です。2000年には、『イースII完全版』の初回限定特典として、全4話を収録したDVD版が発売されています。

ストーリーは、ゲーム版をベースにしながらも、リリアの病気とその重要性、イースの地における魔物の位置づけ、物語終盤におけるアドルの役割、六神官の子孫など、多くの点が変更されています。

未発売の作品

残念ながら、発表されたものの発売に至らなかった作品も存在します。

イースIVを原作としたOVA

1993年には、『イースIV』を原作としたOVAの制作が発表され、『イーススペシャルコレクション』にパイロットムービーが収録されましたが、最終的には制作中止となりました。

マーベラスとの共同制作作品

2005年には、マーベラスエンターテイメントとの共同制作によるOVA化が発表されましたが、その後具体的な発表は行われず、現在に至っています。

各作品の詳細あらすじ

イース

1. 序章: 平和なエステリアが魔物の巣窟と化した中、アドルは不思議な感覚に導かれるようにエステリアを目指す航海に出る。
2. ハダルの章: 廃墟となったラスティンの街を調査し、魔物が銀をねらっていることを知る。
3. トバの章: ミネアの街に魔物が現れ、サラが石化される。アドルはゴーバンの励ましを受け、サラ救出を決意する。
4. ダビーの章: 洞窟探検で銀のハーモリカを発見。フィーナがハーモリカを奏で、封印された記憶が蘇る。
5. メサの章: イースの書を3つ集めたアドルの前にダルクファクトが現れる。過去の出来事を知り、クレリアの鎧を手に入れる。
6. ジェンマの章: ダルクの大侵攻計画により、ミネアの街の防備が手薄となる。アドルはダームの塔を探索する。
7. ファクトの章: ミネアが魔物に襲撃され壊滅状態に。ダルクとアドルの最終決戦。アドルはイースの書を全て集め、レアとフィーナと共に天空のイースへ旅立つ。

イース天空の神殿

1. 失楽園: ダルク・ファクトとの戦いを終え、天空のイースへ飛ばされたアドル。魔物が支配する荒廃した地で、リリアに助けられる。
2. 世界果つるところ: ランスの村で悪魔の使いとして捕らえられたアドルは、リリアと共に脱出を試みる。サダ達と出会い、世界の果てにあるノルティア氷壁を目指す。
3. 彷徨、そして迷走…: 真実を知ったゴート達はランスの村に戻る。アドルはラミアの村に向かうが、村は壊滅していた。サダはマリアを救うため、サルモンの神殿に向かう。
4. 運命の流れる中で: 生贄の儀式と石化の呪いを止められず、アドルは魔物と戦う。ダームの策略により魔に染まりそうになるが、女神達とリリアの助けで救われる。

キャスト

両作品を通じてアドル・クリスティン役を草尾毅、フィーナ役を高山みなみ、レア役を本多知恵子、ドギ／ナレーター役を玄田哲章、ダルク・ファクト役を森功至が担当しています。その他、作品毎に多くの豪華声優陣が出演しています。

スタッフ

監督、脚本、演出、作画監督などは、各話毎に異なっています。

主題歌

両作品でエンディングテーマとして「Endless History」(作詞：安藤芳彦、作曲：ファルコム・サウンドチームjdk、歌：南翔子)が使用されています。

サウンドトラック

『イース』と『イース天空の神殿』のサウンドトラックは、キングレコードのファルコムレーベルからCDで発売されています。『イース』は1枚、『イース天空の神殿』は4枚（後に2枚にまとめた復刻盤も発売）がリリースされています。全ての楽曲はiTunes Storeでも配信されています。

参考文献

「イースマニアックスパート1」『イース大全集 -Perfect Date of I〜VI-』メディアワークス、2003年11月20日初版発行、ISBN 978-4-84-022531-1、22ページ

もう一度検索