イースター・パレード (映画)

映画『イースター・パレード』：華麗なるミュージカルの舞台裏

1948年に公開されたアメリカ映画『イースター・パレード』は、チャールズ・ウォルターズ監督によるミュージカル作品です。主演はフレッド・アステアとジュディ・ガーランドが務め、テクニカラーで撮影された色彩豊かな映像が魅力です。

制作の裏側

当初、本作の主演はジーン・ケリーが予定されていましたが、撮影期間中に足の怪我に見舞われ、降板を余儀なくされました。そこで白羽の矢が立ったのが、当時引退宣言をしていたフレッド・アステアです。ケリーから直接アステアに依頼があり、アステアは本作で映画界に復帰することになりました。アステアにとっては、1946年の『ブルー・スカイ』以来2年ぶりの復帰作となります。

あらすじ

物語は1912年のブロードウェイを舞台に展開します。スター・ダンサーのドン・ヒューズは、恋人でありダンスパートナーのナディーン・ヘイルにイースターのプレゼントを渡そうとしますが、彼女は有名興行師のジーグフェルドにスカウトされ、ドンの元を去ってしまいます。さらに、ナディーンがドンの親友ジョニーに惹かれていることが判明し、ドンは失意のどん底に突き落とされます。

失意の中、ドンは酒場で出会ったダンサー兼歌手のハンナ・ブラウンを新しいパートナーに迎え、ナディーンを見返すことを決意します。しかし、ハンナはダンスに関しては素人同然で、ドンは彼女を一流のダンサーに育てようと奮闘します。初舞台は散々な結果に終わりますが、ドンはナディーンに「ハンナの個性を潰している」と指摘されたことで、ハンナの才能に気づき、彼女本来の魅力を引き出すことに注力します。その結果、ハンナは才能を開花させ、二人はブロードウェイのスターへと駆け上がっていきます。

再びスターとなったドンは、ジーグフェルドの舞台に呼ばれますが、主演がナディーンだと知り出演を断ります。ハンナはドンを心配しますが、ドンはすぐに二人を主演にした舞台の契約を結び、ハンナを喜ばせます。しかし、ドンはダンスの話ばかりでハンナとのデートを楽しもうとせず、彼女を怒らせてしまいます。それでも、ドンはハンナにキスをして機嫌を直し、二人は舞台の初日を迎えます。

舞台は大成功を収めますが、ドンはナディーンとダンスをしてしまい、ハンナは店を出て行ってしまいます。ハンナはかつて働いていた酒場に戻り、実らない恋を嘆きますが、ドンはハンナを追いかけ、謝罪しようとします。ハンナは「ナディーンとよりを戻すために自分を利用した」と非難しますが、ドンは「今は違う」と訴えます。翌日、ジョニーから「ドンが新しいパートナーを探している」と聞いたハンナは動揺しますが、ジョニーの助言でドンと仲直りすることを決意します。

イースター・パレードの日、ドンはハンナからイースター・パレードに誘われ、二人は仲直りをしてパレードに向かうのでした。

キャスト

ハンナ・ブラウン：ジュディ・ガーランド
ドン・ヒューズ：フレッド・アステア
ジョナサン・ハロウ3世（ジョニー）：ピーター・ローフォード
ナディーン・ヘイル：アン・ミラー
フランソワ：ジュールス・マンシン

スタッフ

監督：チャールズ・ウォルターズ
製作：アーサー・フリード
脚本：シドニー・シェルダン、フランシス・グッドリッチ、アルバート・ハケット
音楽：アーヴィング・バーリン
音楽監督：ジョニー・グリーン
撮影監督：ハリー・ストラドリング
編集：アルバート・アクスト
美術：セドリック・ギボンズ、ジャック・マーティン・スミス
装置：エドウィン・B・ウィリス
衣裳：アイリーン、ヴァレス
録音：ダグラス・シアラー

作品の評価

映画批評サイトのRotten Tomatoesでは、23件のレビューに基づき、91%の高評価を獲得しています。平均点は10点満点中7.68点とされており、批評家からも高い評価を得ていることが伺えます。

受賞歴

第21回アカデミー賞では、編曲賞（ミュージカル映画）をジョニー・グリーンとロジャー・イーデンスが受賞しました。

まとめ

『イースター・パレード』は、華やかな音楽とダンス、そして魅力的なキャラクターたちが織りなす、心温まるミュージカル作品です。アステアとガーランドの卓越したパフォーマンスは必見で、世代を超えて愛される名作と言えるでしょう。

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