イーホル・スヴャトスラーヴィチ

イーホル・スヴャトスラーヴィチ（1151年 - 1202年）は、中世ルーシの公。ノヴゴロド・セヴェルスキー公（シヴェーリア公：1178年 - 1198年）を経て、チェルニーヒウ公（1198年 - 1202年）を務めました。彼はチェルニーヒウ公スヴャトスラフ・オリゴヴィチの次男として生まれました。

生涯

1161年、イーホルは公の一員としてキエフへの出兵に加わりました。1174年には、ペレヤースラウ周辺でコンチャク・ハンとコビャク・ハンの率いる遊牧民族・欽察人の軍勢を打ち破るという功績を挙げました。兄の死後、ノヴゴロド・セヴェルスキー公位を継承し、キエフ大公の座を巡る内紛にも積極的に参加しました。

1183年、イーホルは欽察人の領土への遠征を成功させ、勝利を収めました。しかし、1185年に行った新たな遠征では、不運にも惨敗を喫し、自身も欽察人の捕虜となってしまいました。この1185年の遠征は、後に中世ルーシの代表的な文学作品『イーゴリ遠征物語』の題材となりました。

捕虜生活から解放された後、イーホルは父の跡を継いでチェルニーヒウ公となりました。

家族

エフロシニヤ・ヤロスラヴナとの間に、以下の子供たちがいました。

ウラジーミル
オレグ
スヴャトスラフ - アガフィヤの父
ロマン
ロスチスラフ
娘 - スタロドゥープ公ダヴィドと結婚

イーホル・スヴャトスラーヴィチは、その軍事的な才能と波乱に満ちた生涯を通して、ルーシの歴史に名を刻みました。『イーゴリ遠征物語』の主人公として、彼の勇猛さと悲劇的な運命は後世に語り継がれています。

もう一度検索