ウィスラー (ブリティッシュコロンビア州)

カナダのスキーリゾート、ウィスラー

ウィスラーは、カナダのブリティッシュコロンビア州西部に位置する、世界的に有名なスキーリゾート地です。人口は約1万3千人（2022年）で、バンクーバーから北へ125km、標高670mの山岳地帯にあります。年間200万人以上が訪れる観光地であり、特にウィスラー・ブラッコムでのアルペンスキーやマウンテンバイクが人気です。また、2010年のバンクーバーオリンピックでは、山岳競技の主要会場となりました。

歴史

ウィスラーには、ヨーロッパ人が入植する以前から、スコーミッシュ族やリリワット族といった先住民が長く暮らしていました。1860年代にはイギリス海軍によって測量が行われ、1914年に入植が始まりました。1960年代までは静かな場所で、インフラも十分に整備されていませんでしたが、1962年にバンクーバーの企業家たちがスキーリゾート開発を目的に訪れ、1968年の冬季オリンピック開催を目指しました。会社設立後、1966年に売却されたものの、ウィスラー・マウンテンは一般に開放されました。

冬季オリンピック

2010年のバンクーバーオリンピックでは、ウィスラーが多くの山岳競技の会場となりました。具体的には、以下の会場が利用されました。

ウィスラー・クリークサイド：アルペンスキー
ウィスラー・ノルディック会場：バイアスロン、クロスカントリー、ノルディック複合、スキージャンプ
ウィスラー・スライディングセンター（12,000人収容）：ボブスレー、リュージュ、スケルトン

アメリカグマとの共存

ウィスラーの都市設計は、自然環境との調和を重視しており、その結果、アメリカグマの生息数が大きく回復しました。しかし、数年の干ばつによりマツが枯れ、クマが再び住宅街で食べ物を探すようになりました。ウィスラーに生息する多くのクマは、車のドアやバネ付きドアを開ける方法を学習しました。ほとんどのクマは穏やかですが、人間との衝突も発生したため、公的な対策が講じられました。住民にはクマの生息地からの移住が推奨され、人にもクマにも行動療法が実施されました。その結果、クマの除去や殺処分は最終手段とされました。このウィスラーの事例は、クマの問題に直面する他の自治体の参考事例としても活用されています。

交通

ウィスラーは、ハイウェイ99号線沿いに位置し、スコーミッシュから北へ58km、バンクーバーからは125kmの場所にあります。かつては、観光列車「ウィスラーマウンテニア号」が夏季に運行されていましたが、現在は運休しています。また、夏季にはグリーンレイクとバンクーバー・ハーバー水上空港を結ぶ水上機が定期的に運航しています。

気候

ウィスラーの気候は、冬季は海洋性気候の影響が強く、湿度が高くなります。1月の平均気温は−2.1℃、平均最低気温は−4.9℃で、年間24日程度が−10℃以下になります。過去最低気温は1978年12月30日の−29.2℃です。年間降雪量は418.7cmに達します。夏季は大陸性気候の影響が強くなり、乾燥した気候となります。日中の気温は上昇し、年間で11日ほどが30℃を超える真夏日となり、過去には2021年6月29日に42.0℃を観測しています。

姉妹都市

軽井沢町（日本）：1999年3月3日締結

その他

Windows XPの開発コード名「ウィスラー」は、この町の名前に由来します。

外部リンク

ウィキトラベル - ウィスラー
ウィスラー公式サイト（英語）
ウィスラー観光局公式サイト（英語）
ウィスラー観光局公式サイト（日本語）
ウィスラーブラッコム公式サイト（英語）

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