ウィム・ベル

ウィム・ベル（Wim Boer, 1922-2000）は、20世紀後半のオランダを代表するランドスケープアーキテクトの一人として知られています。彼は従来の造園の枠にとらわれず、モダニズムの思想を取り入れた斬新なデザインを生み出しました。ベルのデザイン哲学の根幹には機能主義があり、その作品は明快な構成と力強い直線的なレイアウトによって特徴づけられます。

彼のキャリアにおける重要な成果として、ドールンの新墓地とバウテンフェルダート公園が挙げられます。

ドールンの新墓地

ドールンの新墓地は、ウィム・ベルが全体計画を手がけた画期的なプロジェクトでした。彼は自然の森林環境の中に、人工的ながらも整然とした長方形の区画を配することで、独特の景観を創出しました。この設計は、新たに建設された教会施設に採用されていた機能主義の理念を造園分野に応用したものと解釈されています。

墓地のデザインは非常に厳格に管理されており、個々の墓の装飾は抑制され、墓石は一様に統一されています。さらに、通常見られる墓地内の個別植栽も意図的に排除されています。この徹底した統一と単純化は、機能性を追求するベルのアプローチを明確に示しています。

バウテンフェルダート公園（ガイスブレヒト・バン・アムステルパーク）

アムステルダムに位置するバウテンフェルダート公園は、広大なアムステルダムセ・ボスとAmstelscheg地区をつなぐ都市の緑地ネットワークの一部を構成する重要な公園です。公園のあるバウテンフェルダート地区自体は郊外に位置しますが、近代建築国際会議（CIAM）の都市計画理論を忠実に反映した計画的な街として知られています。この地区の緑の軸として、ガイスブレヒト・バン・アムステルパークは中心的な役割を担っています。

公園の整備は、1934年に定められた広範な都市拡張計画のガイドラインに基づき、アムステルダム市都市開発部門が1958年に策定したバウテンフェルダート地区の建設計画の一環として進められました。この計画により、豊かな水辺空間と広々とした長方形の区画を持つ地区が誕生しました。

同じく1958年には、地区の中央部を東西に貫くセントラルパークゾーンの設計者を決定するための設計競技が開催されました。この競技でウィム・ベルのデザイン案が採用され、公園の大部分は1968年まで彼の設計に基づいて整備されました。

公園のデザインは、隣接するバウテンフェルダート地区の街路パターンと密接に連携しており、その明快な直線的な配置と機能主義に基づく設計思想が際立っています。公園を南北に走る主要な交通動脈によって、空間はあたかも連続した部屋のように分割されています。公園の中央に位置する「部屋」の中央には、人々の待ち合わせ場所として設計された正方形の人工島があり、これは「出会い島」と呼ばれています。かつてここにはアルド・ファン・アイクが設計した座席がありましたが、損傷後に復元されています。

公園建設においてコンクリートやアスファルトといった素材が積極的に用いられたことは、当時の造園デザインにおいては非常に革新的で先進的な試みでした。

公園の現状と再建計画

現在、公園の利用者の利便性を高めるための改修が進められています。第一段階として、園内の歩道とサイクルロードのネットワークが改良されました。通路沿いの植生は、視界を確保し、公共の安全を向上させるために剪定されています。これらの改修作業においても、1958年にベルが設計した当初の機能主義的なスタイルが可能な限り尊重されています。

2008年には、公園の再開発第一段階の完了を示す出来事として、公園東側の一画に新しい公共事業複合施設がオープンしました。建築家クラウス・エンカーンによるこの建物は、2009年にゴールデンAAP建築賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

専門家の間では、バウテンフェルダート公園のようなモダニスト都市公園は、第二次世界大戦後のオランダにおけるランドスケープアーキテクチュアの転換点を示す重要な事例と見なされています。しかし、公園は主に地元住民に利用されていますが、一部では植物が過度に繁茂して圧迫感を与えたり、橋や水辺の施設の維持管理が行き届いていなかったり、植栽が予想以上に大きくなりすぎたりといった課題も抱えています。

これらの課題に対処し、地域住民にとってより魅力的な公園とするため、アムステルダム市議会は2007年に再建計画を策定しました。現在進行中のこの計画では、公園全体の統一感を維持しつつ、区画ごとに分けられた各「部屋」の固有の個性や機能性を段階的に強化する改修が進められています。

参考文献

農村計画学会誌 7(4), 1989年3月号
低地オランダ:帯状発展する建築・都市・ランドスケープ 石田寿一 著, 丸善, 1998年

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