ウィリアム・エドウィン・ホーイ

ウィリアム・エドウィン・ホーイの生涯：東北学院創立と中国伝道

ウィリアム・エドウィン・ホーイ（William Edwin Hoy, 1858年6月4日 - 1927年3月3日）は、アメリカ合衆国出身の宣教師であり、ドイツ改革派教会から派遣され、明治時代の日本で活躍しました。彼は東北学院の三校祖の一人として知られています。

来日と東北学院創立

1858年、ホーイはペンシルベニア州ミフリンバーグに生まれました。フランクリン・アンド・マーシャル大学を卒業後、ランカスター神学校で学び、1885年にドイツ改革派教会の日本派遣宣教師に応募して来日しました。当時、英語学者であった斎藤秀三郎が通訳を務めました。

来日後、ホーイは東北地方での伝道活動の協力者を求めていた押川方義と出会い、仙台を東北伝道の拠点とすることで意気投合します。1886年、ホーイは押川と共に仙台神学校（現在の東北学院）を創立しました。また、1893年には英文誌＜Japan Evangelist＞を創刊し、海外への情報発信にも尽力しました。

押川方義との別れと中国伝道

東北学院は順調に発展しましたが、やがて「日本の伝道は日本人の手で」という押川との意見の相違が表面化し、1900年、ホーイはD・B・シュネーダーに後事を託して東北学院を去りました。その後、ホーイは活動の舞台を清国（中国）に移し、湖南省岳州に教会や神学校（湖濱学校）などを設立しました。

中国では、伝道、教育、医療活動に尽力し、地域社会に貢献しました。ホーイの妻と娘も彼の活動を支え、第二次世界大戦後まで中国伝道に献身しました。しかし、1927年、中国内部の動乱（共産主義）により伝道活動が困難となり、上海に避難。アメリカへの帰国途上、船上で病没しました。遺体は故郷ミフリンバーグの教会墓地に埋葬されました。

東北学院への貢献

ホーイは東北学院の創立者の一人として、学院の基礎を築きました。彼の教育に対する情熱と献身は、学院の発展に大きく貢献しました。また、学院の経済的な危機に際しては、私財を投じて救済するなど、学院への深い愛情を示しました。

シュネーダーとの絆

ホーイは、東北学院で共に働いたD・B・シュネーダーとも深い絆で結ばれていました。1918年、仙台の大火で東北学院中学部が焼失した際には、ホーイはシュネーダーに100ドルの献金を送り、励ましの言葉を添えました。このことからも、ホーイの東北学院への思いが伝わってきます。

生涯を捧げた宣教活動

ウィリアム・E・ホーイは、アメリカ、日本、中国という3つの国で活動し、その生涯をキリスト教の伝道に捧げました。彼は教育者、宣教師として多くの人々に影響を与え、その功績は今日でも語り継がれています。彼の死後、シュネーダーはホーイを「キリスト教の歴史上、最も偉大な宣教師の一人」と称えました。

ホーイの生涯は、まさに「米・日・中そして天の四つの国の市民にふさわしい生涯」であったと言えるでしょう。

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