ドイツ改革派教会

ドイツ改革派教会（RCUS）

ドイツ改革派教会（The Reformed Church in the United States, RCUS）は、ドイツに起源を持つアメリカの改革派教会です。日本語では「アメリカ・ドイツ改革派教会」とも呼ばれます。

概要

1747年、スイスの宗教改革者ツヴィングリの流れを汲むライン地方のドイツ改革教会の移民たちが、アメリカで改革派教会を設立しました。1868年には憲法を改正し、総会を組織しました。信仰の指標としてはハイデルベルク信仰問答を用い、穏健中庸のカルヴァン主義（マイルド・カルヴィニズム）を特徴とし、長老制を採用しています。

日本への伝道

1878年、ドイツ改革派教会は海外伝道局を組織し、A・D・グリング、J・P・ムーア、W・E・ホーイの3名を日本に派遣しました。彼らは元大工町（神田）教会を設立し、1886年6月には日本基督一致教会と伝道協力を開始、押川方義の東北伝道に協力しました。また、仙台神学校（現在の東北学院）の設立にも貢献しました。

E・R・プールポーとM・オールトによって宮城女学校が設立され、D・B・シュネーダー、H・H・クック、C・ノックスなども来日し、東北地方での伝道に従事しました。

1918年にはセディ・リー・ワイドナーが日本に派遣され、岐阜県、愛知県、三重県で伝道活動を展開しました。彼女は女性宣教師たちによる伝道団体「美濃ミッション」を組織しました。1939年にワイドナーが帰国し、その後亡くなりましたが、残された教職者と信徒によって活動は続けられました。1941年の日本基督教団設立の際には加入せず、解散を命じた政府の迫害に耐え忍びました。

戦後の1946年、フィウェル宣教師の来日により美濃ミッションは再建され、今日に至っています。

その後

1934年、本国アメリカのドイツ改革派教会はルター派の教会と合同し、福音改革教会となりました。現在は米国合同教会（United Church of Christ）となっています。

ドイツ改革派教会は、その穏健な信仰と教育活動、そして日本への献身的な伝道を通して、キリスト教史に重要な足跡を残しました。



参考文献：
『日本キリスト教歴史大事典』 教文館、1988年
中村敏 『日本における福音派の歴史』 いのちのことば社、2000年

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