ウィリアム・ギャラス

ウィリアム・ギャラス：鉄壁のディフェンダー、その軌跡

ウィリアム・ギャラス（William Gallas, 1977年8月17日 - ）は、フランスのアニエール＝シュル＝セーヌ出身の元サッカー選手です。グアドループにルーツを持ち、フランス代表としても長年活躍しました。ポジションは主にディフェンダー。

クラブキャリア

ギャラスは、フランス代表のティエリ・アンリと同じく、クレールフォンテーヌ国立研究所（INF）で育成されました。その後、SMカーン、オリンピック・マルセイユを経て、2001年にイングランド・プレミアリーグのチェルシーFCへ移籍。

チェルシーでは、当初センターバックとして出場していましたが、ジョゼ・モウリーニョ監督の就任以降はサイドバックでの起用が増加。ギャラス自身はセンターバックでのプレーを希望していましたが、ジョン・テリー、リカルド・カルバーリョの壁は厚く、左サイドバックとして出場することが多くありました。この状況から、ギャラスは新たなクラブでの挑戦を公言するようになります。

2006年、アメリカ遠征を無断欠席したことでクラブの怒りを買い、さらにミヒャエル・バラックの加入により背番号を剥奪されるという出来事がありました。同年8月31日、アシュリー・コールとのトレードでアーセナルFCへ移籍。アーセナルでは、ディフェンダーとしては異例の背番号10を背負い、ディフェンスリーダーとしてセンターバックで活躍しました。

2007-08シーズンからは、移籍したティエリ・アンリの後を継いでキャプテンに就任。当初はクラブの補強について苦言を呈していたこともあり、キャプテン就任に疑問の声も上がりましたが、チームを鼓舞するプレーや重要な時間帯での得点などでチームを牽引しました。しかし、2008年にはチームメイトを批判したことが問題視され、キャプテンを剥奪される事態に。チームメイトとの不仲も噂されました。

2010年8月22日、アーセナルの最大のライバルであるトッテナム・ホットスパーFCへフリーで加入。ハリー・レドナップ監督の熱望によるものでした。ライバルチームへの移籍当初はファンから懐疑的な目で見られましたが、ビッグクラブでの経験からキャプテンシーを発揮し、トッテナムの中心選手として活躍。チャンピオンズリーグを戦うチームにとって欠かせない戦力となりました。

2012-13シーズン終了後、契約満了によりトッテナムを退団。その後、オーストラリアのAリーグ、パース・グローリーFCに加入し、2014年10月16日に現役引退を表明しました。

代表キャリア

フランス代表では、マルセル・デサイーの後継者として守備陣のリーダー的役割を担いました。2006年のFIFAワールドカップでは、リリアン・テュラムと共に鉄壁のセンターバックコンビを形成し、決勝進出に大きく貢献（結果は準優勝）。2009年11月18日のワールドカップ予選プレーオフ・アイルランド戦では、延長前半に決勝ゴールを挙げ、フランスのワールドカップ出場に貢献しました。2010年のワールドカップ本大会にも出場しましたが、チームはグループリーグで敗退。

2011年6月6日、フランス代表からの引退を表明しました。

代表記録

出場大会
2006 [[FIFAワールドカップ]]
2010 [[FIFAワールドカップ]]
試合数
* 国際Aマッチ 84試合 5得点（2002年-2010年）

ウィリアム・ギャラスは、その強靭なフィジカルと高い戦術理解度で、数々のクラブや代表チームで中心選手として活躍しました。特に、対人戦の強さや空中戦の強さは特筆すべきもので、相手フォワードにとって脅威となる存在でした。また、リーダーシップにも優れており、チームを鼓舞する姿勢は多くの選手やファンに影響を与えました。様々なクラブを渡り歩き、常に全力を尽くす彼のプレースタイルは、多くのサッカーファンに記憶されています。

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