ウィリアム・ヘンリー・ムーディ

ウィリアム・ヘンリー・ムーディ

ウィリアム・ヘンリー・ムーディ（1853年12月23日 - 1917年7月2日）は、アメリカ合衆国の著名な政治家および裁判官です。彼は1902年から1904年まで海軍長官を、次いで1904年から1906年まで司法長官を務め、さらに1906年から1910年まで最高裁判所の陪席裁判官として活動しました。

青年期

ムーディはマサチューセッツ州ニューベリーで農場主の家庭に生まれました。彼は光陰を矢の如く進み、1872年にはフィリップス・アカデミーを卒業し、1876年にはハーバード大学を卒業しました。在学中に、彼は後に大統領となるセオドア・ルーズベルトと出会うことになります。その後も学問を続けてハーバード大学法学大学院に進学しましたが、わずか4ヶ月後に退学し、法律の世界へと進むことを選びました。ムーディはリチャード・ヘンリー・ダナの事務所で法律を学び、1878年には弁護士としての認可を受けました。

法曹時代

弁護士としてのキャリアをスタートさせたムーディは、1888年にヘイヴァリルの市法務官に就任し、その後1890年にはマサチューセッツ州東地区の合衆国検察官に指名されました。ただし、1893年に発生した有名なリジー・ボーデン殺人事件の検察官補佐を担当した際には、彼の評判は悪化しました。検察官としての業務ではあまり好評を得られませんでしたが、弁護士としての能力は高く評価されました。

議会議員時代

ムーディは1895年にマサチューセッツ州を代表して合衆国下院議員に選出されました。この職を1902年まで続け、その間、下院歳出委員会で多くの活動を行いました。彼のこの時期の業績は、彼のその後のキャリアに大きな影響を与えることになります。

海軍長官・司法長官時代

次にムーディは、セオドア・ルーズベルト政権下で1902年から1904年まで海軍長官を務め、その後、1904年から1906年まで司法長官に任命されました。司法長官としては、ルーズベルト大統領の反トラスト政策に積極的に従事し、「良い」独占と見なされる企業と折衝を行い、一方で「悪い」独占に対しては訴追を行いました。

裁判官時代

ルーズベルト政権が終焉を迎えると、後任のウィリアム・タフト大統領によってムーディは合衆国最高裁判所の陪席裁判官に任命されました。彼は1906年12月17日に議会の承認を受け、最高裁判所で4年間を過ごしました。この間、彼は67件の主文理由と5件の反対意見を執筆しました。特に注目されたのは、1908年に雇用者責任を巡る事件に関する少数意見です。彼は、雇用者と従業員の関係を連邦法で規定できるかについて意見を表明し、また自己負罪の拒否特権に関連する考察も行いました。

彼は1908年から続く重度のリウマチに悩まされ、1909年には法廷から離れることとなりました。最終的には、彼は1910年11月20日に最高裁判所を離任しました。

晩年

ムーディは1917年にマサチューセッツ州ヘイブリルで亡くなりました。彼はジョージタウンのバイフィールド墓地に埋葬され、その生涯を通じての功績は、アメリカ海軍の駆逐艦 USS Moody (DD-277) に名を残す形で後世に語り継がれています。

家族

彼の親は、父親がヘンリー・L・ムーディ、母親がメリッサ・オーガスタ・エマーソンでありました。ムーディ自身は結婚せず、子供も持つことはありませんでした。

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