ウィリアム・レッグ (初代ダートマス伯爵)

初代ダートマス伯爵ウィリアム・レッグ

初代ダートマス伯爵ウィリアム・レッグ（William Legge, 1st Earl of Dartmouth, 1672年10月14日 - 1750年12月15日）は、イギリスの貴族および政治家であり、イングランド貴族の一員として知られています。彼の生涯は、特に政治的なキャリアと家族に大きく影響を与えた出来事で満ちています。

生い立ちと教育

ウィリアム・レッグは、初代ダートマス男爵ジョージ・レッグとその妻バーバラの間に1672年に生まれました。彼の母はサー・ヘンリー・アーチボルドの娘で、名家の出身でした。ウィリアムは、ウェストミンスター・スクールで教育を受けた後、1688年にケンブリッジ大学のキングス・カレッジに入学し、1699年にはM.A.の学位を得ています。

1691年に父親が死去すると、彼はダートマス伯爵の称号を受け継ぎました。このことで彼の社会的地位は一気に向上し、政治的活動にも繋がっていくことになります。

政治活動

ウィリアムは1702年に枢密顧問官に任命され、その後もさまざまな政治的役職を歴任しました。トーリー党に所属していた彼は、穏健派の立場をとり、ホイッグ党のメンバーとも協力する姿勢を見せていました。特に、彼は同じく穏健派であった政治家ロバート・ハーレーと親しい関係を保ち、彼の失脚後も忠実に支える友人として知られています。

彼はまた、アン女王から特に信頼を寄せられており、彼女はウィリアムのことを「正直者」と称賛しました。彼の政治的な能力には議論があるものの、その働きぶりと誠実な姿勢は多くの人々に評価されました。特に、彼は情報管理において非常に慎重で、他の大使からは「煉瓦の壁から情報を引き出すほうが容易だ」と皮肉られるほどでした。

私生活

ウィリアムはサンドウェル・バレーにあるサンドウェル・ホールという屋敷に家族と共に住んでいました。彼の私生活では、冗談を言って家族を楽しませることを好み、そのために「道化者」というあだ名も持っていました。1750年12月15日、ウィリアムはロンドンのブラックヒースで死去します。長男のジョージに先立たれていたため、後に孫のウィリアムが爵位を継承することになります。

家族

1700年には、アン・フィンチと結婚し、6人の息子と2人の娘をもうけました。彼の子供たちの中でも、長男ジョージは第2代ダートマス伯爵となり、その後も家族の名声を引き継いでいきます。ウィリアムの兄弟たちや、姉妹たちの中には、政治家や海軍の軍人など、多様な職業に就いている者たちがいました。

ウィリアム・レッグの生涯は、イギリスの貴族社会の一側面を示すものであり、彼の政治的取り組みや個人的な魅力は今もなお注目されています。

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