ウィルフリッド・ローリエ大学

ウィルフリッド・ローリエ大学（Wilfrid Laurier University）は、カナダのオンタリオ州ウォータールー市に主キャンパスを構える公立大学です。その起源は1911年に設立された東カナダ福音ルター神学校にさかのぼり、長年にわたる変遷を経て現在の総合大学としての地位を確立しました。

沿革
本学の歴史は、1911年に東カナダ福音ルター神学校として始まりました。数年後の1915年にはウォータールー高校へと名称を変え、教育機関としての幅を広げます。そして1924年には3年制の大学相当課程を開設し、学生が正式な学位を取得できる道が開かれました。1925年にはウォータールー文科専門学校が創設され、これはウェスタンオンタリオ大学の付属機関として位置づけられました。

教育内容の拡充に伴い、1956年にはウォータールー文科専門学校の准学部が派生機関として誕生し、これが母体となり1959年にウォータールー大学が設立されます。しかし、1960年には創立の背景にあったルター教会がウォータールー文科専門学校への支援を取りやめたため、大学はウェスタンオンタリオ大学から独立し、校名もウォータールールター大学に変更されました。その後、1973年にカナダの元首相ウィルフリッド・ローリエにちなんで、現在のウィルフリッド・ローリエ大学という名称が採用され、今日に至ります。

キャンパスの拡張も進められており、1999年にはブラントフォードに新たなキャンパスが開設されました。2006年には社会事業学部がキッチナーへと移転しています。ミルトンにもキャンパスを開設する計画が2018年にあり、コネストガ・カレッジとの連携によるものでしたが、予算上の問題から一時白紙に戻されました。2019年時点では、この計画は再検討されています。

キャンパス
ウィルフリッド・ローリエ大学は、複数の拠点にキャンパスを展開しています。

ウォータールーキャンパス: 大学の本部が置かれている主要キャンパスです。
キッチナーキャンパス: 社会事業学部（ライル・S・ホールマン社会事業学部）の教育・研究活動の拠点となっています。
ブラントフォードキャンパス: 文学部やリベラル・アーツ学部、経済・ビジネス学部の一部学科に加え、文学研究科（犯罪学、社会正義とコミュニティエンゲージメント分野）や大学入学英語プログラムが開設されています。
ミルトンキャンパス: 教育研究科が設置されています。

学部構成
本学は多岐にわたる学術分野をカバーする学部を擁しています。多くの学部では博士前期課程（修士課程）と博士後期課程（博士課程）の両方が提供されていますが、経済・ビジネス学部（ラザリディス経済・ビジネススクール）のみ、現状では博士前期課程までの設置となっています。

設置学部は以下の通りです。

文学部
マーティン・ルターカレッジ（キリスト教学およびグローバル市民権学科）
教育学部
人間と社会科学部
リベラル・アーツ学部
音楽学部
理学部
経済・ビジネス学部（ラザリディス経済・ビジネススクール）
* 社会事業学部（ライル・S・ホールマン社会事業学部）

ウィルフリッド・ローリエ大学は、その長い歴史と多様なキャンパス、幅広い学問分野において、カナダの高等教育に貢献しています。

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