ウィーン南駅

ウィーン南駅：歴史と変遷

ウィーン南駅（Wien Südbahnhof）は、かつてオーストリアの首都ウィーンに位置し、市内最大の規模を誇った鉄道駅でした。長年にわたり、オーストリア国内外への重要な交通拠点として機能していましたが、2009年12月にその役割を終え、解体されました。跡地には、新たなウィーン中央駅が建設されました。

歴史と役割

かつてのウィーン南駅は、オーストリア南部方面、具体的にはグラーツやクラーゲンフルトへの列車、そしてイタリア方面への国際列車、さらにはハンガリーなど東ヨーロッパ方面への列車が頻繁に発着していました。これらの路線は、地域間の人々の移動や物流を支える重要な役割を担っていました。

しかし、2009年にウィーン中央駅の建設プロジェクトが開始されると、旧南駅舎は解体されることになり、グラーツ・イタリア方面への列車の発着は、ウィーン・マイドリンク駅へと移管されました。その後、地下のS-Bahn・近郊列車の駅と、東部方面への列車のみを運行する仮駅として運用が続けられましたが、2012年末にウィーン中央駅が開業したことで、東部方面の列車もそちらに移管されました。

現在、地下のS-Bahn・近郊列車の駅はQuartier Belvedere駅と名称を改め、営業を続けています。

駅の構造

ウィーン南駅は、地上部分に1～9番線と11～18番線に分かれた頭端式ホームを有していました。これらのホームは、中長距離列車が発着する主要なプラットフォームとして利用されていました。また、地下には南部・北部方面への近距離Sバーンや近郊列車のホームが設けられ、地域住民の足として機能していました。

ウィーン中央駅の開業

2012年末には、ウィーン南駅に隣接するWien Südtiroler Platz駅と統合する形で、ウィーン中央駅が開業しました。この中央駅は、従来の頭端式ホームではなく、通過式の設計が採用されています。これにより、列車は駅構内を通過することが可能となり、運行効率が向上しました。

ウィーン中央駅の開業により、これまでウィーン西駅（リンツ、ザルツブルク等オーストリア西部方面と、ドイツ、スイスへの国際列車）、ウィーン南駅、ウィーン・マイドリンク駅、ウィーン・フランツ・ヨーゼフ駅に分散していたターミナル機能が集約されることになりました。これにより、利用者の利便性が向上し、ウィーンの鉄道ネットワークはより効率的なものへと進化しました。

ウィーン南駅は、その歴史的な役割を終えましたが、ウィーン中央駅として新たなスタートを切り、ウィーンの鉄道輸送を支え続けています。

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