ウイングスパン (ボードゲーム)

ウイングスパン（Wingspan）

『ウイングスパン』は、エリザベス・ハーグレーブによって設計され、2019年にStonemaier Gamesから発売された、1～5人用のボードゲームです。英語で「翼幅」を意味するタイトルが示すように、プレイヤーは鳥類保護区に様々な鳥を呼び込み、その生態系を豊かにしていくことを目指します。

発売からわずか2ヶ月で世界中で4万4千本を売り上げ、2019年末には20万本、2021年3月には60万本を超える大ヒットとなりました。デジタル版もTabletopia、Steam、Nintendo Switch、iOSで展開されています。

ゲームの魅力

『ウイングスパン』の魅力は、その美しいアートワークと、鳥類の生態を忠実に再現したゲームシステムにあります。カードとして表現された鳥たちは、それぞれ異なる能力を持ち、森林、草原、湿地の3つの生息地に配置することで、様々な効果を発揮します。プレイヤーは限られたターンの中で、「鳥を引く」「鳥を配置する」「餌を集める」「卵を産む」といったアクションを駆使し、自分の保護区をより豊かにしていく必要があります。

ゲームは4ラウンド、26ターンで行われ、各ラウンドやゲーム全体の目標を達成することで、ポイントを獲得できます。また、鳥たちが食料を集めたり、他の鳥を捕食したりといった行動も、ポイントに繋がります。

拡張セット

『ウイングスパン』には、様々な拡張セットが発売されています。

スウィフトスタート・プロモパック： 新規プレイヤー向けのガイドと、特別な鳥カードがセットになっています。
欧州の翼： ヨーロッパに生息する鳥たちが追加され、新たな能力やラウンド目標が加わります。
大洋の翼： オセアニアに生息する鳥たちに加え、新たな資源「花蜜」や、飛べない鳥といった要素が追加されます。
東洋の翼： アジアに生息する鳥たちが登場。基本セットなしでも1～2人で遊べる独立型拡張で、2人プレイ専用の「つがいモード」や、6～7人プレイ専用の「群鳥モード」も楽しめます。

専用収納ボックス『Nesting Box』も発売されており、基本セットや全ての拡張セットをまとめて収納できます。

2024年1月には、派生作品として『Wyrmspan（ワイアームスパン）』が発表されました。こちらは鳥ではなくドラゴンを自身の土地に呼び寄せるゲームで、モチーフの変更に伴う能力やゲーム要素の調整がされた独立作品となっています。日本語版はアークライトより2024年11月に発売。

ゲームデザインの背景

デザイナーのエリザベス・ハーグレーブは、貿易経済をテーマとする競争型ボードゲームが多いことに不満を覚え、自然をテーマとする非競争型のゲームを欲したことが、ゲームデザインを始めるきっかけになったと言います。彼女はメリーランド州の自宅近くの湖で鳥を観察し、600行×100列にも及ぶ詳細なデータを作成しました。このデータが、『ウイングスパン』に登場する鳥たちの能力の基礎となっています。

受賞歴

* 2019年 ドイツ年間ゲーム大賞 エキスパートゲーム賞 受賞

評価

『ウイングスパン』は、その美しいアートワーク、奥深いゲーム性、そして鳥類に対する知識が深まる点などが評価され、世界中で高い人気を集めています。ボードゲーム評論家からも「最もホットなゲーム」として称賛されています。

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