ウインズ神戸

ウインズ神戸：競馬と歴史が交差する場外発売所

神戸の中心地に位置するウインズ神戸は、日本中央競馬会（JRA）の場外勝馬投票券発売所として、そして兵庫県競馬組合の神戸場外発売所としても、長年にわたり競馬ファンに親しまれてきました。1953年の開設以来、その歴史は、神戸の街の発展と軌を一にしてきました。

老朽化からの移転と地元との対立

当初は元町商店街南側にあった旧館は、老朽化と手狭さから建て替えが決定。新たな候補地として選ばれたのは、阪神電鉄が所有する元ニュース映画館跡地でした。しかし、この計画は地元住民、特に元町商店街から激しい反対運動に遭遇します。一方、元町高架下商店街は賛成派となり、市会への陳情合戦へと発展しました。最終的に、建築確認申請が認められ、阪神電鉄は強制着工に踏み切りました。テレビ報道された建設現場の様子は、反対派の悲痛な叫びと関係者の説得風景が入り混じり、長年の対立の疲れを感じさせるものでした。

完成後、阪神電鉄は周辺道路の整備や、場外発売所への来場客と一般客の動線の分離など、地域への配慮を徹底しました。これにより、ウインズ神戸は地域社会に溶け込む存在へと進化していきました。

阪神淡路大震災からの復興

1995年の阪神淡路大震災では、ウインズ神戸も壊滅的な被害を受けました。自動発売所や投票所を中心に甚大な損害を被りましたが、同年5月20日、関係者の努力により営業を再開。被災地復興の一助を担うとともに、競馬ファンに希望を届ける存在となりました。

2つの館とアクセス

ウインズ神戸は、A館とB館の2つの施設から構成されています。A館は7階建てで、1階と2階に窓口と売店、3階以上に発売所が配置されています。JR・阪神元町駅の真正面に位置し、全国のウインズの中でも駅からのアクセスは抜群です。競馬開催日には、駅とA館を結ぶ横断歩道には整理員が配置され、スムーズな誘導が行われます。

一方、B館は地上5階・地下3階建てで、兵庫県競馬組合の神戸場外発売所としても機能しています。園田競馬場や姫路競馬場の馬券発売などが行われます。

交通アクセスは、A館はJR神戸線、阪神電鉄元町駅から徒歩1分、B館は神戸市営地下鉄海岸線みなと元町駅東出口から徒歩2分と非常に便利です。

発売・払戻時間

ウインズ神戸の開館時間は、開催日と非開催日、そしてA館とB館で異なります。開催日は原則9時から発売開始、払戻も同時間から開始されます。非開催日はA館のみ払戻業務が行われ、時間は前週開催最終日の翌日（通常月曜日）の10時から16時までです。ただし、月曜日が祝祭日や年末年始の場合は、火曜日に変更されます。

神戸場外発売所としての役割

1997年から、ウインズ神戸B館は兵庫県競馬組合の神戸場外発売所としても営業しています。園田競馬場や姫路競馬場の馬券発売のほか、ナイター競走の場外発売も行われています。ただし、園田競馬場のナイター競走は金曜日開催のため、発売はありません。また、年末年始の休館日も、2007年度からは開館しています。

まとめ

ウインズ神戸は、単なる場外勝馬投票券発売所にとどまらず、神戸の街の歴史、そして人々の生活に深く関わってきた場所です。これからも、競馬ファンにとってかけがえのない存在であり続けることでしょう。

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