ウェスタン村

ウェスタン村の成り立ちと歴史

ウェスタン村は、栃木県日光市に位置したテーマパークであり、アメリカの西部開拓時代をテーマにしていました。1973年にオープンし、2006年12月7日に休園するまで、多くの観光客に親しまれてきました。

開園の背景

この施設は、地元の大高企業株式会社が運営していました。代表取締役社長の大南志津子氏と専務の大南兼一氏は、西部開拓に対する深い興味から、このテーマパークの開設を考えました。1973年10月、資本金300万円で観光牧場「鬼怒川ファミリー牧場」として始まり、ウェスタン風のアトラクションが次々に追加される形で成長していきました。元々は観光牧場でしたが、アトラクションやショーが充実するにつれて、テーマパークへと進化を遂げました。

ウェスタン村の正式名称変更

1982年には、正式に「ウェスタン村」と名付けられ、営業が開始されました。この時のキャッチフレーズは「古き良きアメリカと太陽の国メキシコが出会う国」で、西部の雰囲気を楽しむことができるスペースとして広く知られるようになりました。

休園の理由

ウェスタン村は通年営業を行っていましたが、2006年には施設メンテナンスのために冬期休業が発表され、その後更に営業が再開されないことが決まります。2007年には従業員が全員解雇され、資金不足が深刻な状況にあることが報じられました。また、同年には窃盗事件が発生したり、施設全体が劣化していく様子が見受けられるようになりました。正式に営業が終了したのは、2006年12月7日のことでした。

設備とアトラクション

ウェスタン村は、3つの主要なエリアで構成されていました。1つ目は「ウェスタンランド」で、西部劇のアクションショーが楽しめる場所です。2つ目は「イベントプラザ」で、各種イベントが行われていました。そして3つ目は「アメリカンドリームランド」で、ここにはマウント・ラッシュモアのレプリカも存在していました。

鉄道アトラクションとしては「ウェスタン村鉄道」があり、アメリカから輸入された澄んだ音色の蒸気機関車が村内を周遊していました。特に、1897年製の「ワイパウ号」は多くの訪問者に愛されていました。

人気の施設

その他のアトラクションには、西部開拓時代の街並みを再現した「ストリートミュージアム」や、アメリカの文化を学べる「インディアンシアター」、そして西部劇の衣装を着て記念写真が撮れる「ウェスタンフォトスタジオ」がありました。また、メキシカンタウンや各種ゲーム施設も人気を集め、多くの観光客で賑わっていました。

現在の状況

ウェスタン村が休園した後、敷地の一部は木材加工業者に売却されるなどの動きが見られましたが、「ウェスタン村」の施設自体は放置され、廃墟に近い状況となっています。2020年時点では、数点の備品がそのまま残っており、経年劣化が進んでいます。

交通アクセス

ウェスタン村は、国道121号鬼怒バイパス沿いに位置しており、東武鬼怒川線の新高徳駅から徒歩で約10分の距離にありました。しかし現在では、かつてのバス停も廃止されており、訪れることが難しくなっています。

記憶に残る場所

ウェスタン村はその独自の世界観とアトラクションで、多くの人々にとって特別な場所でした。西部開拓時代のテーマを体験し、楽しんだ思い出は、多くの昔の訪問者の心に残っています。しかし、その姿は今では過去のものとなりつつあります。

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