ウェストラファイエット

ウェストラフィエットの概要

ウェストラフィエットは、アメリカ合衆国インディアナ州北西部のティピカヌー郡に位置する都市です。人口は約4万5千人（2020年）で、ウォバッシュ川の対岸にあるラフィエットと双子都市を形成しています。州都インディアナポリスから北西に約105kmの場所にあります。

この都市は、州立の工学系総合大学であるパデュー大学のメインキャンパスがあることで有名で、「パデュー大学のふるさと」とも呼ばれています。大学の存在が街の文化、経済、人口動態に大きな影響を与えています。

歴史

ウェストラフィエットの歴史は、1836年にアウグストゥス・ワイリーがウォバッシュ川の氾濫原に区画したことに始まります。しかし、度重なる洪水によってワイリーの区画は完成せず、現在の街はチャウンシー、オークウッド、キングストンの3つの町が合併して形成されました。

キングストンは1855年にジェシー・B・ルッツによって区画され、チャウンシーは1860年にフィラデルフィアから来たチャウンシー一家によって設立されました。これらの2つの村は1866年に合併し、チャウンシーという町名が残りました。1869年にパデュー大学が開校するまで、チャウンシーは小さな村でしたが、大学の成長と共に発展していきました。

1871年、チャウンシーはインフラ整備のためにラフィエットへの合併を試みましたが、コストの問題でラフィエットに拒否されました。その後、1888年にウェストラフィエットとして合併するまでに、パデュー大学の成長と共に街も発展しました。しかし、20世紀初頭までパデュー大学の住所はラフィエットに登録されていました。

合併後も、ウェストラフィエットは鉄道駅の建設やインフラ整備においてラフィエットに遅れを取っていましたが、1940年代には独立した郊外都市として成長しました。

地理

ウェストラフィエットは北緯40度26分31秒、西経86度54分45秒に位置し、ウォバッシュ川が市の東と南を流れ、市境を形成しています。市全体の面積は約14.3km²で、ほぼ全域が陸地であり、水域はごくわずかです。ラフィエットとの都市圏は、インディアナポリスの北西約105km、シカゴの南東約170kmに位置しています。

政治

ウェストラフィエットは市長制を採用しており、市長、出納役、7人の市議会議員で構成される市政府によって運営されています。市長は市の代表として議長を務め、出納役は財務を担当します。市議会は条例の議決や行政を担当します。

市議会議員選挙では、市は5つの選挙区に分けられ、各区で最多得票を得た5人に、ワイルドカードで選ばれた2人を加えた7人が議員となります。議員は議会の代表を選出し、市長不在時にはその代行を務めます。市議会議員の任期は4年で、多選制限はありません。通常、市長選挙と市議会議員選挙はアメリカ大統領選挙の前年に同時に行われます。

教育

ウェストラフィエットにはパデュー大学があり、約4万人の学生が在籍する州立の総合大学です。工学をはじめとする理系の分野で高い評価を受けており、インディアナ大学が文系分野で強いのとは対照的です。

K-12課程はウェストラフィエット・コミュニティ学校公社によって運営されており、カンバーランド小学校（1-3年生）、ハッピー・ハロウ小学校（4-6年生）、ウェストラフィエット中学校・高校（7-12年生）の3校があります。教育水準はインディアナ州内でも高く、高校卒業率96.2％、大学卒業率69.7％に達しています。

経済

ウェストラフィエットの経済はパデュー大学に大きく依存しており、大学が約12,000人を雇用しています。パデュー・リサーチ・パークには140社以上のハイテク企業が集積しており、約2,500人が働いています。このリサーチパークは、パデュー研究財団によって運営されています。

商業活動はラフィエットに集中しており、ウェストラフィエットではウォバッシュ川の河岸にあるウォバッシュ・ランディングが主な商業地区です。この複合施設には、ショップ、レストラン、映画館、ホテル、スケートリンクがあります。2006年の調査では、ラフィエット都市圏の失業率は4.5％でした。

スポーツ

ウェストラフィエットの住民は、パデュー大学のカレッジスポーツをよく観戦します。パデュー大学はビッグ・テン・カンファレンスに所属しており、フットボールはロス・エイド・スタジアム、バスケットボールはマッキー・アリーナで行われます。

フットボールは、オハイオ州立大学やミシガン大学などの強豪校と対戦し、近年では安定した成績を収めています。バスケットボールは男女ともに強く、特に女子は全米屈指の強豪校として知られています。パデュー大学とインディアナ大学とのライバル関係は非常に激しいです。

交通

ウェストラフィエットを含むラフィエット都市圏の玄関口はインディアナポリス国際空港です。パデュー大学はパデュー大学空港を持っていますが、主にチャーター機が利用し、一般の旅客便はありません。アムトラックやグレイハウンドバスはラフィエットの駅やバスディーポを利用します。州間高速道路I-65もラフィエットを通っています。

市内交通は、グレーター・ラフィエット公共交通公社が運営する路線バスが中心です。

人口動勢

ウェストラフィエットの人口動勢はパデュー大学の影響を強く受けており、18-24歳の住民が人口の半数以上を占め、年齢の中央値は22歳です。ルームメイトと住む学生が多いため、非家族世帯が全体の約2/3を占めています。男子学生が多いため、男性住民が女性の1.3倍以上です。貧困率は約38%と高いですが、これは無収入の学生が「貧困層」としてカウントされるためです。

姉妹都市

ウェストラフィエットは日本の群馬県太田市と姉妹都市提携を結んでいます。ラフィエット都市圏全体が太田市の姉妹都市となっています。

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