ウェット・ドリーム

リチャード・ライト『ウェット・ドリーム』

『ウェット・ドリーム』（Wet Dream）は、ピンク・フロイドのキーボード奏者として知られるリチャード・ライトが1978年に発表した初のソロ・アルバムです。ピンク・フロイドでの活動とは異なる、彼の音楽的な側面を垣間見ることができる作品として、長年にわたりファンに愛されています。

制作の背景

本作は、リチャード・ライト自身がプロデュースを手がけました。収録曲は、妻ジュリエットとの共作である「アゲンスト・ザ・オッズ」を除き、すべてライト自身が作詞・作曲しています。レコーディングは、1978年初頭にフランスのアルプ＝マリティームにあるスーパー・ベア・スタジオで行われました。ピンク・フロイド時代から一転して、よりパーソナルで内省的な音楽性を追求した内容となっています。

リリースと評価

リリース当時、このアルバムは大きな注目を集めることはありませんでした。イギリスでは長らく廃盤となっていましたが、1990年代にアメリカとカナダでCDとして再発され、一定の成功を収めました。さらに、ライトの死後、2008年にはオーストラリアでも再リリースされています。2023年にはリミックス版がCD、LPレコード、ブルーレイディスクの3形態で再発売され、再び注目を集めています。

収録曲

全曲、リチャード・ライト作詞・作曲（「アゲンスト・ザ・オッズ」を除く）。

パーソネル

リチャード・ライト (Richard Wright) - ピアノ、エレクトリックピアノ、ハモンドオルガン、オーバーハイム、シンセサイザー、ボーカル
メル・コリンズ (Mel Collins) - サクソフォーン (1,3,5,7,10)、フルート (9)
スノウィー・ホワイト (Snowy White) - ギター
ラリー・スティール (Larry Steele) - ベース
レッグ・イシドア (Reg Isidore) - ドラム、パーカッション
ヒプノシス (Hipgnosis) - アルバム・カバー・デザイン、写真

『ウェット・ドリーム』は、リチャード・ライトの音楽的な才能と、ピンク・フロイドとは異なるパーソナルな表現が詰まった作品です。彼の内省的な音楽世界を堪能できる、貴重な一枚と言えるでしょう。

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