メル・コリンズ

メル・コリンズ：ジャズからプログレ、そして大物ミュージシャンとの共演まで

メル・コリンズ (Mel Collins, 本名Melvin Desmond Collins, 1947年9月5日-) は、イギリス・マン島出身のミュージシャンであり、サクソフォーン、フルートを始めとする木[[管楽器]]奏者として広く知られています。BBC専属サクソフォーン奏者だった父親の影響を受け、幼少期からジャズに親しみ、チャールズ・ミンガスやソニー・ロリンズらの音楽に感銘を受けたと語っています。10歳でピアノを始め、12歳でクラリネット、その後サクソフォーンへと楽器を転向し、音楽の道を歩み始めました。

ロンドン南部クロイドンを拠点に活動を開始したコリンズは、ローカルバンドでの活動を経て、18歳の1965年9月、The Dagoesというツアーサポートバンドに参加。ボ・ディドリーやP.J.プロビーといった大物ミュージシャンのコンサートで演奏する機会を得ます。その後、メロディメーカー紙の求人広告をきっかけに、1966年5月16日にはフィリップ・グッドハンド・テイト率いるザ・ストームズヴィル・シェイカーズに加入。これがコリンズのレコーディングデビューとなりました。バンドは後にサーカスと改名し、シングルやアルバムをリリースしています。

1970年、コリンズはプログレッシブ・ロックバンド、キング・クリムゾンのセカンドアルバム『ポセイドンのめざめ』にゲスト参加。その卓越した演奏は高く評価され、正式メンバーとして加入することになります。アルバム『リザード』『アイランズ』に参加し、コンサートではロバート・フリップと共にメロトロンも演奏しました。しかし、1972年春のアメリカツアー後、キング・クリムゾンは解散。コリンズはアメリカに残留し、アレクシス・コーナー率いるスネイプのメンバーとなりました。その後も、ピート・シンフィールドのソロアルバムや、キング・クリムゾンの『レッド』など、様々な作品にゲスト参加しています。

キング・クリムゾン脱退後、コリンズは精力的にスタジオミュージシャンとしての活動を開始。膨大な数のアルバムに参加し、その演奏は多様なジャンルに渡ります。1974年から1976年にはココモの正式メンバーとして活躍。1977年にはブライアン・フェリーのワールドツアーに参加し、フェリーの初来日公演にも同行しました。また、キャメルにも参加し、その初来日公演にも同行するなど、日本にも何度か訪れています。さらに、ローリング・ストーンズのヒット曲「ミス・ユー」のサックスソロも担当しています。1980年代以降もスタジオミュージシャンとしての活動を続け、ティナ・ターナー、ティアーズ・フォー・フィアーズといった世界的アーティストのアルバム制作にも参加。日本のアーティスト、中島みゆきにも作品を提供しています。1982年にはココモの再結成にも参加しました。

21世紀に入ってからも、コリンズは音楽活動を続けています。2002年にはキング・クリムゾンのオリジナルメンバーと共に「21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド」を結成し、初期キング・クリムゾンの楽曲を再演。また、2011年にはロバート・フリップ主導のキング・クリムゾン・プロジェクト『ア・スケアシティ・オブ・ミラクルズ』に参加、37年ぶりにフリップと共演を果たしています。そして2013年にはキング・クリムゾンに正式メンバーとして復帰し、2021年12月の日本公演まで活動を続けました。

メル・コリンズのキャリアは、ジャズ、プログレッシブ・ロック、そして数えきれないほどのポップスやロック作品にまたがる、実に多彩なものです。数々の著名なミュージシャンとの共演、そして自身のソロアルバム『Saxophone Ballads』など、彼の音楽活動は現代音楽史に大きな足跡を残しています。多くのミュージシャンに多大な影響を与え、現在もなお第一線で活躍し続ける彼の今後の活動からも目が離せません。

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