ウェブテクノロジ

ウェブテクノロジ株式会社は、東京都豊島区西池袋に本社を置く、ゲーム機用ソフトウェア開発ツールを専門とするメーカーでした。高い技術力と革新的な製品群でゲーム業界に大きな影響を与えた企業として知られています。

同社の歴史は、画像最適化技術の開発に深く関わっています。1997年に発表された「OPTPiX」（現在は販売終了）は、当時としては画期的な減色技術を搭載。少ない色数で、元の画像の画質と見た目をほぼ損なうことなく変換できる点が大きな特徴でした。この技術は、ゲーム開発において画像データの容量削減に大きく貢献し、多くのゲーム開発会社から注目を集め、公式ツールとして採用されました。

OPTPiXシリーズはその後も進化を続け、「OPTPiX iméstaシリーズ」としてJPEG、PNG、PVRといった様々な画像フォーマットの最適化に対応した製品が開発されました。これらの製品は、現在もゲーム業界のプロフェッショナルによって利用されています。

ウェブテクノロジの技術革新は画像処理にとどまりません。2010年には、3Dモデルデータを用いて、絵を描くことなく漫画やイラストを作成できる画期的なソフトウェア「コミPo!」を発表しました。このソフトウェアは、当時ウェブテクノロジ社員でもあった漫画家の田中圭一氏によって企画・プロデュースされたことでも知られています。コミPo!は、その直感的な操作性と高い表現力で、多くのクリエイターに支持され、英語版「Manga Maker ComiPo!」としても海外展開されました。

その他にも、スプライトアニメーションデータ制作ツール「OPTPiX SpriteStudio」など、ゲーム開発に特化した様々なツールを提供していました。これらのツールは、ゲーム開発の効率化に大きく貢献し、多くの開発現場で活用されています。

2018年5月にはCRI・ミドルウェアの完全子会社となり、2021年10月には同社に吸収合併されました。これにより、ウェブテクノロジが開発した製品群の開発、販売、サポートはCRI・ミドルウェアによって引き継がれています。

ウェブテクノロジは、その存在期間中にOPTPiX ImageStudio/iméstaシリーズ、OPTPiX SpriteStudio、コミPo!、OPTPiX SmartJPEG、EXEpress、OPTPicture、OPTPiX GS iMageCreator、OPTPiX webDesigner（販売終了）など数々のソフトウェアを開発・販売しました。これらのソフトウェアは、ゲーム業界における技術革新に大きく貢献しただけでなく、クリエイターの表現方法にも多大な影響を与えたと言えます。

特に、元取締役企画営業グループ部長として活躍した漫画家、田中圭一氏は、ウェブテクノロジの製品開発に深く関わり、コミPo!の企画・プロデュースにおいて重要な役割を果たしました。サラリーマン兼業漫画家としての経歴も持ち、その経験は製品開発にも活かされたと言えるでしょう。

ウェブテクノロジは、その革新的な技術と製品群によってゲーム業界に大きな足跡を残しました。吸収合併後も、その技術とノウハウはCRI・ミドルウェアによって継承され、更なる発展が期待されます。

もう一度検索