コミPo!

コミPo!とは

コミPo!（こみぽ）は、株式会社ウェブテクノロジ・コムが販売する、パソコン上で漫画を作成するためのソフトウェアです。コミPo!製作委員会有限責任事業組合が企画・開発を行いました。2010年 12月15日に「コミPo!基本ツール+学園マンガセット」として発売され、「絵を描かなくてもポッとマンガがつくれちゃう!」をキャッチコピーとしています。3Dモデルのキャラクター素材が豊富に用意されているのが特徴で、イメージキャラクターは「こみぽちゃん」です。AKB48チームAの仲谷明香がこみぽちゃんのキャラクターボイスを担当していました。2014年3月には英語版の「Manga Maker ComiPo!」がSteamで発売されました。

受賞歴

コミPo!は、以下の賞を受賞しています。

ベクタープロレジ大賞FINAL 2010年最優秀作品賞
第23回中小企業優秀新技術・新製品賞ソフトウェア部門優秀賞
2011年窓の杜大賞銅賞

概要

コミPo!は、絵を描くことなく、マウス操作で素材を選択・配置するだけで漫画やイラストを作成できるツールです。3DCGのプリセットキャラクターに様々な属性を付与し、ポーズやアングル、表情などを選択して、背景やフキダシ、効果線などを配置します。私的利用だけでなく商業利用も可能で、コミPo!を利用した商業漫画も存在します。発売1周年を迎えた2011年12月時点では、『フキンシンちゃん』や『4コマくーろんず』など、単行本化された作品も登場しています。

機能

以下に、2010年に発表された報道関係者向けβ版に基づいた主な機能について解説します。

コマ割り

新規作成後、「4コママンガ」または「ページマンガ」を選択し、表示されるページテンプレートから使用するコマ割りタイプを選択します。コマの移動や変形も可能で、「白紙」を選択して自分でコマを割り付けることもできます。

背景画像

画面左側に表示される素材リストから背景画像を選択します。プリセットされた背景画像のほか、ユーザーが用意した画像も利用可能です。

キャラクター

プリセットキャラクターから選択するだけでなく、パーツを組み合わせてオリジナルのキャラクターを作成することも可能です。キャラクターの属性として、目、表情、髪型、手、眼鏡、制服などを選択できます。また、キャラクターのポーズもダイアログで選択できます。

キャラクター配置

コマの中にキャラクターを配置し、アングルなどを調整します。背景、キャラクター、フキダシはそれぞれ別のレイヤーに分かれているため、独立して編集・変更できます。

フキダシ

素材リストからフキダシを選択し、コマの中に配置します。フキダシは縦書き、横書き、形状、しっぽの属性などを指定できます。配置後、フキダシの中にセリフを入力し、フォントも選択できます。

マンプ（漫符）

素材リストから漫符を選択し、コマの中に配置します。漫符は、登場人物の感情や動作を表す漫画特有の記号です。

描き文字

素材リストから描き文字を選択し、コマの中に配置します。透過PNG形式で作成した自作の描き文字も利用できます。

著作権

作成した漫画は制作者に著作権が付与されます。そのため、作成した漫画をWebで公開したり販売することも可能です。ただし、プリセットキャラクターそのものの著作権を主張することはできません。

画像フォーマット

入力画像フォーマットとして、JPEG、PNG、GIF、BMP、TIFFが利用できます。出力フォーマットとしては、JPEG、PNG、PDF(JPEG)、PDF(PNG)が利用できます。また、「動画ファイル出力」機能により、AVIおよびアニメーションGIFも出力できます。

プリセットキャラクター

インストール時には、以下のプリセットキャラクターが収録されています。

こみぽ（小石川美保）冬制服
かなめ（西池要）冬制服
てつひさ（上部哲久）冬制服
秩父山先生スーツ
越谷先生ブラウス
ニパ子

オプションデータ

2011年2月には、プリセットキャラクターを私服に着せ替えできる「コミPo! データコレクション Vol.1 私服（女）」および「コミPo! データコレクション Vol.1 私服（男）」がダウンロード販売されました。

2011年4月には、Metasequoiaで作成した3Dデータを読み込めるようになりました。

また、エミル・クロニクル・オンラインや漫画『クレムリン』のキャラクターデータを収録した無料版もリリースされましたが、現在は公開終了しています。

マンガ素材を無料でダウンロードできる「マンガ素材辞典β」も公開され、製品版コミPo!にインポートして利用できました。

その他、服装追加データも多数発売されており、2018年には「コミPo! データコレクション Vol.12 ブレザー&学ラン」、2020年、2021年には、干支をモチーフにした「コミPo! 応援隊3Dアイテム」が公開されました。

スタッフ

企画&プロデューサー: 田中圭一
開発ディレクター: 小野知之
キャラクターデザイン: カントク
キャラクターモデリング: 西海圭祐
開発参加者: いまざきいつき

その他の関係者

浦嶋嶺至: 発売前のβ版を使った作品を発表したり、関連イベントの司会を務めました。

その他

2011年には英語版「ComiPo! (English Version)」が発売され、お試し版も公開されました。
2011年には、コミPo!を使った世界初の実用書『魔法でわかる「労働法」』が発売されました。
2011年には、コミPo!のキャラクターが時計の文字盤を描く時計ソフト「コミPo! Clock」がリリースされました（非公式）。
2012年には、漫画「どーにゃつ」とタイアップした「どーにゃつマンガコンテスト」が開催されました。
2013年には、ニッパーのイメージキャラクター「ニパ子」がコミPo!を用いて公開されました。
2013年には、京都府精華町の広報キャラクター「京町セイカ」が採用されました。
PlayStation Vita用漫画作成ソフト『マンガ・カ・ケール』は、コミPo!に刺激を受けて開発されたことが公表されています。
2020年には、発売10周年記念のトークライブが配信されました。

脚注

参考文献は以下の通りです。

いまざきいつき、小暮ひさのり・早瀬敦『コミPo!パーフェクトガイドコミPo!製作委員会公式誰でも簡単!マンガ入門』アスペクト、2011年1月27日。
きらら、みんと、中の人編著『コミPo!で入門!マンガの描き方』技術評論社、2011年5月21日。
サイドランチ編『コミPo!公式活用テクニックパソコンでマンガを描こう!』アスキー・メディアワークス、2011年3月10日。
田中圭一、竹熊健太郎・伊藤剛・山本直樹『コミPo!マンガ入門絵が描けなくてもマンガ家デビュー!!』太田出版、2011年3月17日。
柳井美紀、できるシリーズ編集部著『できるコミPo!公式ガイド』インプレスジャパン、2011年3月30日。