ウェーバー (企業)

ウェーバー：自動車部品メーカー

ウェーバー（伊: Weber）は、イタリアの伝説的な自動車部品メーカーであり、主にキャブレターの製造に注力してきました。この会社は、フィアットグループに属するマニエッティ・マレリの傘下にあり、現在もスペインで製造を行っています。ウェーバーは、キャブレターだけでなく、エンジンコントロールユニットやスロットルボディなども手掛けています。

社史と創業

ウェーバーの歴史は、1889年にトリノで生まれたエドアルド・ウェーバーが機械工学を学び、フィアットでのキャリアをスタートさせたことに始まります。彼は1923年にボローニャにFabbrica Italiana Carburatori Weberを設立。デザインの革新を追求し、キャブレターの性能を向上させるべく、1920年代にオリジナルのキャブレターを開発しました。

フィアット傘下への移行

1945年にエドアルドが亡くなると、1952年にフィアットに経営を引き継ぎます。以降、ウェーバーはマセラティ、アルファロメオに限らず、フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニなど様々な自動車メーカーのキャブレターを製造するようになりました。

黄金期と名声

ウェーバーは1950年代から70年代にかけて、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェといった名車に使用されたことで、一躍その名を知られることとなります。特にV型8気筒エンジンやV型12気筒エンジンに装着されたウェーバー製のキャブレターは、特有の吸気音とともに印象的であり、ブランドのアイコンとなりました。大衆車改造にも使われ、90年代以降からはEFI（電子燃料噴射）の普及に伴い需要が減少しましたが、依然として特定のファン層に支持されています。

スペインへの移転

1980年代には製造をスペインへ移し、Bressel SAと新たに提携を結びました。1992年にはイタリアでのキャブレター製造を終え、スペインでさまざまなタイプのキャブレターを継続して製造。特にDCO/SP型は、既存のDCOE型の改良版として長い間主流となりました。また、ウェーバーの商標利用に関しては、LCNメカニカとの合意により現在に至るまで全てのモデルが生産されています。

現在の製品と市場

今では、ウェーバー製キャブレターの使用は減少していますが、その過去の栄光は色あせず、依然として高性能キャブレターとしての需要が存在します。特にキットカーや古いイタリア車、英国車の愛好者層からの支持を受けており、交換部品としての人気も高まっています。日本市場でも、ウェーバーは競技用エンジンへの装着が多く見られ、特に日産やトヨタの車両においてその名が知られています。

各キャブレターの詳細

ウェーバー製キャブレターは、DCOE型、DCO/SP型、IDA型など、用途やニーズに応じた多数のモデルが存在します。これらはスロットル径や設計に違いがあり、ユーザーが求めるパフォーマンスに合わせて選べるようになっています。特に、アイドルジェットやエアジェット、メインジェットなどのセッティングパーツが豊富で、細かい調整が可能です。これにより多様なエンジン特性への対応が実現されています。

結論

ウェーバーは、自動車部品における重要なプレーヤーであり、その製品は今もなお多くの自動車愛好家に愛され続けています。今後もその技術力と伝統は、さらなる進化を続けていくことでしょう。

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