マニエッティ・マレリ

マニエッティ・マレリについて

マニエッティ・マレリ（Magneti Marelli S.p.A.）は、かつて存在したイタリアの自動車部品メーカーで、2019年にはカルソニックカンセイとの統合を経て、マレリ（現在はMarelli Europe S.p.A.）という名称で新たなスタートを切りました。

概要

本社はイタリアのミラノに位置しており、同社はドイツのロバート・ボッシュや日本のデンソーと並び、電装品や燃料噴射装置の製造において最大手の一角を占めています。製品ラインナップには、メーター、インフォテイメント、テレマティクス、ボディコンピュータなどの電装品のほか、トランスミッション、ECU、ショックアブソーバー、吸排気関連部品、照明関連部品まで多岐にわたります。また、自動運転技術の研究開発にも力を入れています。

歴史

マニエッティ・マレリの歴史は1891年に始まります。その年、エルコレ・マレッリがミラノで電気器具と電装部品を製造する企業を創業しました。1900年には株式会社として法人化し、その後第一次世界大戦により航空機向けの電装部品部門が成長します。1919年、大戦の終結後には航空機向けの電装部品製造部門を独立させ、フィアットの出資を受けて合弁会社であるマニェーティ・マレッリを設立しました。

1928年にはイタリアの株式市場に上場し、自動車だけでなく鉄道車両向けの電装品も手掛けるようになりました。1980年代に入るとディーゼルエンジン用の燃料噴射ポンプを製造し、1990年代にはコモンレール式燃料噴射装置の開発に着手します。1997年にはボッシュと共同でこの技術の実用化を果たし、アルファロメオ・156JTDに初めて搭載されました。

本社は1984年にセスト・サン・ジョヴァンニからチニゼッロ・バルサモへ移転し、1991年には再びコルベッタへ移転しました。また、1980年代から1990年代にかけて、各種欧州部品メーカーを吸収しグローバルなメガサプライヤとしての地位を確立しました。

1998年にはアルファロメオ・156にセミオートマチックトランスミッション『セレスピード』を搭載し、その後もフェラーリやマセラティに供給しています。2001年には照明部品の合弁会社K2ライティングテクノロジーを設立し、後に100%傘下にしました。

2018年10月、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が全株式をKKRに売却し、2019年5月にはカルソニックカンセイとの経営統合が進みマレリとして新たな道を歩むことになりました。

レース活動

マニエッティ・マレリは自動車レースにおいても重要な役割を果たしています。2007年シーズンでは、スクーデリア・フェラーリやルノーF1などにエンジンの点火装置や燃料噴射装置を供給しました。2008年からは、マイクロソフトが全チームに標準ECUを供給することで、マニエッティ・マレリはエンジン関連部品の供給に特化することとなりました。

また、MotoGPではドゥカティにテレメトリシステムを提供し、ヤマハにはECUや燃料噴射装置を供給。さらに、世界ラリー選手権（WRC）においてもチームに必要なエンジン部品を供給しています。2019年以降は、Moto2クラスに使用されるトライアンフ製エンジンにも共通ECUを提供しています。

このように、マニエッティ・マレリは自動車業界での影響力を持ちながら、多様な技術開発を推進してきた歴史を持つ企業です。

もう一度検索