ウォルター・タル

ウォルター・ダニエル・ジョン・タル（Walter Daniel John Tull, 1888年4月28日 - 1918年3月25日）は、イングランドのケント州フォークストーンで生まれた、サッカー選手であり軍人でした。主にミッドフィールダーとして活躍しました。

初期のキャリア

1908年、タルはロンドンのクラプトンFCでアマチュア選手としてのキャリアをスタートさせました。ここでは、FAアマチュアカップを含む3つのカップタイトル獲得に大きく貢献しました。彼の才能はすぐに注目を集めました。

トッテナム・ホットスパー

1909年、タルはトッテナム・ホットスパーFCとプロ契約を結びました。この契約は、アーサー・ウォートン、ウィリー・クラークに次いで、史上3人目の黒人プロサッカー選手が誕生した瞬間でした。また、南米系の黒人選手としては初の選手でした。1909年9月には、サンダーランドAFC戦でデビューを果たし、そのシーズン中に10試合に出場、2得点を記録しました。しかし、同年10月のブリストル・シティFC戦では、ブリストルのファンから人種差別的な言葉を浴びせられるという辛い経験もしました。

ノーサンプトン・タウン

1911年、タルはハーバート・チャップマンが指揮を執るノーサンプトン・タウンFCへ、「かなりの料金」で移籍しました。チャップマンは現役時代にアーサー・ウォートンと共にプレーしており、タルを高く評価し重用しました。ノーサンプトンでは公式戦111試合に出場し、チームに大きく貢献しました。

第一次世界大戦と死

1914年に第一次世界大戦が勃発すると、タルはイギリス陸軍に所属しました。勇敢な彼は、イギリス陸軍初の有色将校となり、兵士たちを率いて戦いました。しかし、1918年3月25日、戦場で命を落としました。彼の死は、多くの人々に深い悲しみをもたらしました。

ウォルター・タルの生涯は、サッカー選手として、そして軍人として、常に困難に立ち向かい、人種差別に屈することなく、祖国のために尽くした英雄の物語として語り継がれています。

Walter Tull - Tottenham Hotspur

もう一度検索