ウォーターフォールズ (TLCの曲)

TLC「ウォーターフォールズ」：時代を映す涙の滝

1995年、TLCの2ndアルバム『クレイジーセクシークール』からシングルカットされた「ウォーターフォールズ」は、瞬く間に世界を席巻しました。全米だけでも1,200万枚以上、全世界では2,300万枚以上のセールスを記録し、TLCにとって2度目の全米No.1ソングとなりました。

楽曲の背景

この楽曲は、社会に対するメッセージが込められた歌詞と、それを視覚的に表現したミュージック・ビデオが特徴です。麻薬、エイズ、無謀な行動といった当時の社会問題を背景に、若者たちが直面する現実を赤裸々に描き出しています。

作詞作曲は、マルケス・エスリッジとTLCのレフト・アイに加え、オーガナイズド・ノイズが担当。プロデュースも彼らが手掛けました。アトランタを拠点とするオーガナイズド・ノイズは、当時、アウトキャストの楽曲などを手掛けていた新進気鋭のプロデューサーチームでした。

歌詞に込められたメッセージ

「ウォーターフォールズ」の歌詞は、無謀な行動や安易な欲望に流される若者への警告となっています。麻薬に手を染める息子を心配する母親、性病で命を落とす男性など、痛ましいエピソードを通じて、現実から目を背けずに生きることの大切さを訴えています。

レフト・アイのラップパートでは、苦しみの中で神に祈り、社会の犠牲になった人々への共感が歌われています。「夢を叶えたいなんて、叶うはずのない希望」というフレーズは、厳しい現実を突きつけながらも、「自分自身を信じれば、あとはアタシ達次第」と、希望を捨てずに生きることを呼びかけています。

コーラス部分の「夢の滝を追いかけてはだめ。慣れ親しんだ川や湖から離れないで」という歌詞は、ポール・マッカートニーの「ウォーターフォールズ」からインスパイアされたものです。

ミュージック・ビデオ

F・ゲイリー・グレイが監督を務めたミュージック・ビデオは、楽曲のテーマを鮮やかに映像化しています。SFXを駆使し、歌詞の内容に沿ったストーリーが展開され、水面に立つTLCのメンバーの姿が印象的です。社会問題をリアルに描き出し、多くの人々に衝撃を与えました。

受賞と評価

「ウォーターフォールズ」は、1995年のMTVビデオ・ミュージック・アワードで「最優秀ビデオ賞」を受賞するなど、数々の賞を獲得しました。音楽評論家からも高く評価され、TLCの代表曲としてだけでなく、1990年代を象徴する楽曲の一つとして語り継がれています。

この曲は、R&Bの枠を超え、社会現象となりました。美しいメロディーとメッセージ性の強い歌詞、革新的なミュージック・ビデオが融合し、時代を超えて人々の心に響き続けています。

楽曲情報

アーティスト: TLC
収録アルバム: クレイジーセクシークール
リリース: 1995年5月22日
作詞・作曲: マルケス・エスリッジ、TLC（レフト・アイ）、オーガナイズド・ノイズ

参加ミュージシャン

T-ボズ - リード・ボーカル
チリ – バック・ボーカル
レフト・アイ - バック・ボーカル、ラップ
デブラ・キリングス – バック・ボーカル
シーロー・グリーン – バック・ボーカル

リミックス

ONP・リミックス
* DARP・リミックス

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