ウォーリー・ジョイナー

ウォレス・キース・ジョイナー（Wallace Keith Joyner、1962年6月16日 - ）は、ジョージア州アトランタ出身の元プロ野球選手。ポジションは一塁手。「Wonder Wally」「Wally World」の愛称で親しまれました。

現役時代

1983年のMLBドラフトでカリフォルニア・エンゼルスから3巡目指名を受け、プロ入り。1985-86年のプエルトリコのウィンターリーグでは三冠王を獲得するなど、早くから才能を発揮しました。

1986年にメジャーデビューを果たすと、開幕から「3番・一塁」に抜擢。4月9日にはメジャー初本塁打を放つなど、持ち前の打撃センスでレギュラーの座を掴みます。甘いルックスも相まって、瞬く間に人気選手となりました。6月16日のレンジャーズ戦では、チャーリー・ハフのノーヒットを阻止するヒットを放ち、チームのサヨナラ勝利に貢献。前半戦だけで打率.313、20本塁打、72打点という驚異的な数字を残し、オールスターゲームにもファン投票で選出されました。

後半戦はやや失速したものの、シーズン通算では打率.290、22本塁打、100打点をマーク。チームの地区優勝に大きく貢献しました。レッドソックスとのリーグチャンピオンシップシリーズでは打率.455と好調でしたが、チームはワールドシリーズ進出を逃しました。新人王投票では、ホセ・カンセコに僅差で敗れましたが、MVP投票では8位に入りました。

1987年には、キャリアハイとなる34本塁打、117打点を記録。MVP投票でも13位に入りました。その後も安定した成績を残し、1991年には自身初の打率3割を達成しています。

1992年からはカンザスシティ・ロイヤルズ、サンディエゴ・パドレス、アトランタ・ブレーブスとチームを渡り歩き、1998年にはパドレスでリーグ優勝を経験。ワールドシリーズにも出場しましたが、ヤンキースに敗れました。

2001年に古巣エンゼルスに復帰しましたが、不振のためシーズン途中で解雇。そのまま現役を引退しました。

引退後

引退後は、2007年にパドレスの打撃コーチに就任。その後、フィリーズ、タイガースでもコーチを務めました。

2005年には、現役時代の薬物使用を告白。ミッチェル報告書にも名前が記載されました。

エピソード

守備の名手としても知られていましたが、同時期にヤンキースのドン・マッティングリーがいたため、ゴールドグラブ賞には縁がありませんでした。

ルーキーイヤーには、ヤンキースタジアムでの試合中に観客席からナイフが投げ込まれるという事件に遭遇。幸い軽傷で済みましたが、未解決事件となりました。

甘いマスクで女性ファンからも絶大な人気を得ていましたが、学生結婚しており、メジャーデビュー時には既に二児の父でした。

ドラフト指名、ノーヒッター阻止、エンゼルス解雇といずれも6月16日であり、6月16日とは縁がありました。

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