ゴールドグラブ賞

ローリングス・ゴールドグラブ賞

ロールングス・ゴールドグラブ賞（Rawlings Gold Glove Award）は、メジャーリーグベースボール（MLB）において、主に守備が優れた選手を表彰する賞です。この賞は、1957年にグラブメーカーのローリングス社によって初めて導入されました。最初に設けられた際には、両リーグから1名ずつ選出され、その後、1961年からは外野手が左翼手、中堅手、右翼手の区別なく毎年3名選出される方式に変わりました。

選出方法

選考はナショナルリーグとアメリカンリーグから、それぞれ守備に優れた選手がポジションごとに選ばれ、合計で各リーグ9人が選出されます。各チームの監督やコーチが投票を行い、最大で同年の受賞者の中から最優秀選手を選ぶ「プラチナ・ゴールド・グラブ賞」も設けられています。2020年にはCOVID-19の影響で、通常の選考が中止され、守備指数である「SABR Defensive Index」に基づいて受賞者が決定される特例が適用されました。

選出の課題

ゴールドグラブ賞には選考方法に関する批判が多くあります。特に外野手に関しては、従来の選考方式が選手の役割を十分に反映していないとの指摘があり、2011年からはポジションごとの選出が行われるようになりました。また、同一リーグ内でも対戦数が均等でないため、相手チームの選手の守備能力を正確に評価できないという問題もあります。さらに、守備力を数値化する方法が他にも存在していることから、本来の能力を正しく反映できないおそれも指摘されております。

例えば、2010年には、守備の指標上では劣るデレク・ジーターが選出され、彼の存在が選考に影響を与えているとの懸念も示されました。さらに、受賞選手がその後も受賞を続けることで、実際の守備力が衰えているにもかかわらず受賞するケースもあります。著名な選手であるトリー・ハンターはその好例です。

フィールディング・バイブル・アワードとの関係

これらの問題を受け、2006年にはフィールディング・バイブル・アワードが創設され、より客観的に守備力を評価する試みが行われましたが、こちらも選出結果には疑問が残るケースが発生しています。

歴代受賞者と特典

歴代受賞者には多くの名選手が名を連ねますが、特に最多受賞記録を持つグレッグ・マダックスは18回の受賞を誇り、守備の権威として名を知られています。近年ではノーラン・アレナドやイチローなども受賞歴があり、これらの選手たちはその守備力とともに圧倒的な存在感を放っています。

まとめ

ロールングス・ゴールドグラブ賞は、MLBの守備力を評価する重要な賞であり、選手たちの努力がわかる一つの指標です。しかし、選考過程における問題点も多く、今後の改良が望まれています。選手の実力や技術が真に評価されることが、ファンとしても期待されるところです。

もう一度検索