ウガンダ人民会議

ウガンダ人民会議（UPC）とは

ウガンダ人民会議（Uganda People's Congress, UPC）は、ウガンダの政党です。1955年に、後にウガンダの大統領となるミルトン・オボテによって結成されました。UPCは、ウガンダの政治において重要な役割を果たし、一時は政権を担いましたが、その歴史は複雑で、多くの変遷を経てきました。

独立運動とUPCの成立

1940年代から1950年代にかけての独立運動期、ウガンダ南部の最大民族であるガンダ族は自治の拡大を求めていました。ブガンダの王党派であるカバカ・イエッカ（KY）も同様の立場でした。しかし、他の民族は必ずしも同じ考えではありませんでした。そのような状況下で、教育を受けたエリートによる民主党が国民統合を掲げました。民主党はブガンダでは支持されませんでしたが、その他の南部のバントゥー系民族に支持されました。また、民主党の指導部はカトリック系であり、プロテスタントが多数派のガンダ族と対立しました。

1952年には、ウガンダ民族会議（UNC）が結成され、オボテが代表となり東部で支持を拡大しました。UNCは連携相手の他党を取り込み、ウガンダ人民会議となりました。独立前の最初の選挙では、KYとUPCと民主党が争いました。予想通り、KYが南部の大半の議席を、UPCが東部と北部の大半の議席を獲得しました。それでも、第一党はベネディクト・キワヌカ率いる民主党でした。キワヌカが初代首相となりましたが、独立までにKYとUPCの連立によりオボテと交代しました。

カバカは、民主党が近代化を掲げ君主制を廃止するのではないかと恐れていました。オボテは選挙で敗れ、連立が権力への道であると悟りました。オボテはムテサ2世に王権の維持と新政権での儀礼的役割を約束しました。KY/UPC連立により、オボテはウガンダ独立時の初代首相となりました。

オボテ政権の盛衰

KYとの連立は長くは続きませんでした。実権を握ったオボテは、1966年にイディ・アミンにブガンダ王宮を襲撃させました。ムテサ2世はロンドンに亡命し、オボテは大統領に就任しました。UPCは民衆の支持を失い、支持率が低下したオボテは、南部での支持獲得よりも北部での基盤維持に向かいました。1969年の選挙は無効にされ、オボテは終身大統領となりましたが、1971年にアミンに倒されました。

1979年にイディ・アミンが打倒されると、オボテとUPCは暫定軍事政権に近づき、ウガンダ南部で支持拡大よりも軍事的な手段を用いました。北部出身者の多い軍が南部で残虐行為を行い、南北対立が激化する中で、UPCは北部の政党として認識されるようになりました。南部の人々は民主党を支持するようになり、またUPC党員であったヨウェリ・ムセベニは少数政党のウガンダ愛国運動を結成しました。

1980年の選挙は、UPCが軍事政権を利用して不正を行った疑いが強く持たれました。UPCの勝利が宣言され、軍事委員会議長のパウロ・ムワンガが副大統領に指名されると、疑念はさらに強まりました。ムセベニは選挙結果を拒否し、内戦を開始しました。

ムセベニはUPCの作り出した南北対立により支持を伸ばし、最終的に勝利しました。より多くの南部出身者が権利を守るために武器を取りました。南部出身者は植民地時代には軍から排除されていました。1986年にムセベニが権力を掌握した際には、その軍は南部の、特に西部出身者が多くを占めていました。また、オボテ政権時に抑圧されていたルワンダ人もその中枢を占めていました。

2006年の総選挙とその後

国民投票の結果、ムセベニの無党制が否決され、複数政党制が復活しました。2006年の総選挙の数ヶ月前にオボテは亡くなっており、北部ではオボテのいないUPCに支持はないものの、ムセベニには反対が根強くありました。このため、南部出身でムセベニの元主治医であるキザ・ベシゲが主な対立候補となり、民主変革フォーラム（FDC）を率いました。

UPCは自ら招いたジレンマ（北部政党とみられる）により有力な北部の候補を得られず、南部出身のミリアを立てて苦戦しました。さらに、選挙後UPCからムセベニの国民抵抗運動（NRM）やFDCへの離党が相次ぎました。ミリアの立候補は怒りの対象となり、UPCがオボテ政権時代の軍の行為と結びつけられていることが示されたと見られています。2006年2月23日の総選挙で、UPCはウガンダ国民議会の任命議員も含めた319議席中9議席を得るにとどまりました。

UPCは、ウガンダの政治史において重要な役割を果たした政党ですが、その歴史は多くの困難と変遷に満ちています。

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