ブガンダ

ブガンダ：ウガンダ中南部の歴史的地域

ブガンダは、現在のウガンダ中南部に位置する歴史的な地域であり、ガンダ族の国を意味します。この地は、かつてブガンダ王国として栄え、周辺地域に大きな影響を与えました。

歴史

ブガンダ王国の起源は、ブニョロ＝キタラ帝国の従属国の一つに遡ります。しかし、次第に独立性を高め、17世紀ごろから象牙交易などを通じて力をつけ、ブニョロ帝国を凌駕する存在となりました。19世紀末、ムワンガ2世の時代には、イギリスの支援やセメイ・カクングルの活躍もあり、ブニョロに代わってウガンダにおけるバントゥー系の宗主的な地位を確立しました。カクングルらは北部のナイル系諸族も征服し、王国の勢力を拡大しました。

最盛期には、南のヴィクトリア湖西岸のブドゥ地方や、1894年4月にはブニョロ領だった北部ムベンデ地方、東部のブゲレレなどを併合し、広大な領域を支配しました。1894年6月にウガンダ保護領が成立した際には、東は広義の白ナイルを挟んでブソガ、北はキオガ湖を挟んでランゴ地方、北西はブニョロ、トロ王国、西はアンコーレ王国、南は領水でタンザニアと接するまでになりました。

「ウガンダ」という国名は、元々ブガンダのスワヒリ語名に由来します。「ウガンダ獲得による奴隷制の廃止」を掲げたイギリスの意向もあり、保護領全体の名前として採用されました。しかし、ムベンデ地方の西部はウガンダ独立後に住民投票によってブニョロに返還され、これがムテサ2世とミルトン・オボテの対立の一因となりました。

保護領成立後、ブガンダ王の権限は縮小されました。1897年7月には、ムワンガ2世がカトリック派のガブリエル・キントゥと共にブドゥ地方で反乱を起こしましたが、鎮圧され、ムワンガ2世は廃位。その後、8歳のダウディ・チュワ2世が王位に就きました。

ダウディ・チュワ2世の後を継いだムテサ2世は、ウガンダ独立後に儀礼的な初代大統領となりましたが、オボテの不正を追及したことなどが原因で、イディ・アミン参謀総長によるメンゴの王宮襲撃を受け、イギリスへ亡命。ロンドンで客死しました。ブガンダは他の王国と共に王制を廃止されましたが、1993年に文化的指導者としての復活が認められました。

現在のブガンダは、ウガンダの一地域として、その文化と伝統を継承しています。カスビのブガンダ歴代国王の墓は、その歴史を今に伝える貴重な遺産として、世界遺産にも登録されています。

関連情報

平田浩司「ブガンダ王国における土地制度」『アフリカ研究』第1999巻第55号、日本アフリカ学会、1999年、67-79頁。https://doi.org/10.11619/africa1964.1999.55_67
ブガンダ王国 - ウェイバックマシン（2006年9月13日アーカイブ分） 世界飛び地領土研究会「消滅した国々」

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