ウクライナ人民共和国軍

ウクライナ人民共和国軍について

ウクライナ人民共和国軍（アールミヤ・ウクライィーンスィコイィ・ナロードニョイィ・レスプーブリクィ）は、ウクライナの独立を目指し、1917年から1920年にかけて活動した軍隊です。ウクライナ共和国の軍組織は、時期によって呼称が変わることがあり、「中央ラーダ軍」、「ディレクトーリヤ軍」、「ペトリューラ軍」とも称されました。

組織の歴史

ウクライナ人民共和国は、主に二つの時期に分けることができます。最初の1917年秋から1918年春までの間は、ウクライナ中央ラーダによって統治されていました。その後、ドイツ軍のクーデターにより中央ラーダは解散し、ドイツの傀儡政権であるウクライナ国が樹立されます。しかし、1918年11月にドイツが連合国に降伏した後、ウクライナ国は急速に崩壊。これを受けて、中央ラーダの残党は新たにディレクトーリヤを結成し、ウクライナ人民共和国を復活させました。しかし、ここでも戦闘に敗れ、1920年には共和国が消滅してしまいました。特にシモン・ペトリューラは共和国軍の重要な指導者として知られ、彼の名を冠した「ペトリューラ軍」という呼称も定着しました。

軍隊の構成と戦力

ウクライナ人民軍は、初めに中央ラーダの義勇軍として創設されました。代表的な部隊には、ムィコーラ・ミフノーウスィクィイが設立した軍事クラブや自由コサックが含まれます。1918年1月に独立宣言を発表し、以降は独立ザポリージャ隊などの正式な軍隊が編成されました。

この軍隊は、ボリシェヴィキによる十月革命への抵抗を示唆しながらも、内部分裂に悩まされました。多くの農民たちは、ドイツやポーランドと連携した政府への反感から、ネストル・マフノの反乱軍に参加しました。

陸軍、海軍と航空隊

陸軍

ウクライナ人民共和国の陸軍は帝政時代の装備を受け継ぎ、さらに中核をなす部隊にはオーストリア・ハンガリー帝国で訓練されたシーチ銃兵隊が存在しました。この精鋭部隊は、後にウクライナ民族主義者の組織を指揮することになります。陸軍は、装甲車や各種火器を保有し、非機械化部隊が主力でした。特に知られている装甲車には「チェールヌィク」や「ペトリューラ」などがあります。

海軍

海軍は旧ロシア帝国の黒海艦隊の艦艇を接収し、セヴァストーポリを拠点に運用していましたが、ドイツ軍のクーデターにより中央ラーダが解散し、艦艇はウクライナ国に移行しました。最終的には反革命勢力によって接収され、ウクライナの手を離れました。

航空隊

航空隊はロシア帝国時代の機材を引き継ぎ、ドイツとの協力を得ることで新鋭機材の導入に成功しました。偵察機や戦闘機といった基本的な機材を揃えましたが、活躍も限られていました。

主要人物

ウクライナ人民共和国軍には、シモン・ペトリューラの他にも多くの軍人が所属しました。ペトリューラの下で活動した指導者たちは、ウクライナの歴史において重要な役割を果たしました。彼らの功績は今も語り継がれています。

結論

ウクライナ人民共和国軍は、ウクライナの独立を求めて戦った組織であり、その歴史は国の形成に多大な影響を与えました。共和国の崩壊や内部抗争は、ウクライナの近代史における難しい課題を浮き彫りにしています。

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