ウクライナ軍の階級

ウクライナ軍の階級制度



ウクライナ軍の階級は、軍隊における構成員の上下関係を明確にするための序列です。1992年3月に「普遍的な兵役義務および兵役について」という法律が採択された後、創設されました。

歴史



当初、ウクライナ軍の階級制度はソ連軍のものを継承していましたが、その後見直しが行われ、現在はNATOの階級符号に合わせた形となっています。特に2019年以降、大きな改革が行われました。

現在の階級



ウクライナ軍には、陸軍式階級と海軍式階級の2つの形式があります。海軍式階級は海上部隊勤務者のみが使用し、陸軍式階級はその他の全ての軍種が使用します。

2016年には、空軍の階級名から「空軍」の呼称が廃止され、軍医の階級に付けられていた「衛生兵」の呼称も正式に廃止されました。また、法律、軍医、獣医などの職業軍人の階級には、それぞれ「法務の」、「医療サービスの」、「獣医サービスの」という語が追加されます。予備役や退役軍人の階級には、それぞれ「予備役」、「退役」という語が追加されます。

NATO階級符号の導入



2019年10月17日、ウクライナ議会はNATOのSTANAG2116に合わせるため、下士官の階級変更を承認しました。この変更は2020年の軍改革とともに実施されました。その結果、2020年10月1日、ウクライナ法第680-IX号により、NATOランクでOF-10に相当する上級大将の階級が廃止され、OF-9に相当する大将の階級章が変更されました。ただし、上級大将が廃止される前に昇進していた者は、引き続き上級大将の階級章を着用しています。

2023年5月23日には、海兵隊が海軍から独立し、独立兵科となりました。それに伴い、海兵隊が海軍から引き継いだ肩章と袖章は、新しい階級章のデザインが導入されるまでの暫定的なものとして使用されます。

軍種色



ウクライナ軍の階級章の下地の色は、軍種によって区別されます。

明るい緑: 陸軍
: 空軍
紺碧: 海軍


陸軍式階級



ウクライナ陸軍は、一般的に以下の階級を使用します。

将官: 大将中将少将
佐官: 大佐中佐少佐
尉官: 大尉中尉少尉
下士官: 准尉、曹長軍曹伍長、兵長
兵卒: 上等兵二等兵

海軍式階級



ウクライナ海軍は、以下の階級を使用します。

将官: 海軍大将、海軍中将、海軍少将
佐官: 海軍大佐、海軍中佐、海軍少佐
尉官: 海軍大尉、海軍中尉、海軍少尉
下士官: 海軍准尉、海軍曹長、海軍軍曹、海軍伍長、海軍兵長
* 兵卒: 海軍上等兵、海軍二等兵

まとめ



ウクライナ軍の階級制度は、ソ連からNATOへと変化する軍事的な動向を反映しており、現代の軍隊における標準的な階級構造を適用しています。継続的な改革により、ウクライナ軍はより効率的かつ効果的な組織へと進化を続けています。

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