ウクライナ防衛コンタクトグループ

ウクライナ防衛コンタクトグループ (UDCG) とは

ウクライナ防衛コンタクトグループ（The Ukraine Defense Contact Group）は、2022年にロシアがウクライナに侵攻したことを受けて設立された、ウクライナへの軍事支援を目的とした国際的な連合体です。通称「ラムシュタイングループ」とも呼ばれ、NATO加盟国全32ヶ国を含む56ヶ国と欧州連合が参加しています。このグループは、ウクライナへの継続的な軍事援助の調整を目的として、定期的に会合を開催しています。

発足と会合

最初の会合は2022年4月26日に41ヶ国が参加して行われました。その後、参加国は増加し、2023年2月14日の会合時点では54ヶ国が参加しました。2023年11月には、会合の報告書で「50ヶ国以上」または「約50ヶ国」の参加があると記載されています。

2023年1月20日には、ラムシュタイン空軍基地で会合が開かれ、この会合以降、グループは「ラムシュタイングループ」と呼ばれるようになりました。この会合で連合は、ウクライナの春季攻勢を支援するために、大型の攻撃兵器を送ることを支持しました。また、ドイツ製のレオパルト2戦車の供与が議論されましたが、ドイツは当初、輸出を延期しました。しかし、2023年1月25日、アメリカがM1エイブラムス戦車31両を提供するのに合わせて、ドイツもレオパルト2A6戦車14両を提供することを発表しました。2月25日までに、ドイツ、ポルトガル、スウェーデン、ポーランド、スペイン、ノルウェー、カナダから合計71両のレオパルト2戦車がウクライナに供与されることが正式に決定し、最初の4両が2月24日にウクライナに到着しました。さらに、ドイツ、デンマーク、オランダの共同イニシアチブにより、100～178両のレオパルト1A5戦車が供与されることも発表されました。

2月14日の会合では、近代戦闘機のウクライナへの移転が主要な議題となりました。その後、2回の会合では、ウクライナに送られる弾薬や装備を持続的に代替するための産業能力の向上に資金を提供する方法について検討されました。

2023年10月11日の会合には、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が出席し、軍事援助の継続について保証を得ましたが、不確実性も示唆されました。ゼレンスキー大統領は、冬季の防空の必要性を強調しました。また、この会合で、参加国が将来的な和平交渉の枠組みについてウクライナ当局者と協議を開始したと報じられました。

2024年1月23日の会合では、アメリカからの資金提供が停滞する中、フランスとドイツのみが提供を表明する結果となりました。

サブグループ

UDCG内には、特定の分野に焦点を当てたサブグループがいくつか存在します。

防空
大砲
地雷除去
ドローン
戦闘機
IT

これらのサブグループは、ウクライナのニーズに合わせた支援を効果的に行うことを目指しています。

参加国とパートナー国

以下は、少なくとも1回のコンタクトグループ会議に代表者を派遣した国と組織の一覧です。

EU
NATO
アルバニア
ベルギー
ブルガリア
カナダ
クロアチア
チェコ
デンマーク
エストニア
フィンランド
フランス
ドイツ
ギリシャ
ハンガリー
アイスランド
イタリア
ラトビア
リトアニア
ルクセンブルク
モンテネグロ
オランダ
北マケドニア
ノルウェー
ポーランド
ポルトガル
ルーマニア
スロバキア
スロベニア
スペイン
スウェーデン
トルコ
イギリス
アメリカ合衆国
オーストラリア
オーストリア
ボスニア・ヘルツェゴビナ
キプロス
ジョージア
アイルランド
日本
ケニア
コソボ
リベリア
マルタ
モルドバ
ニュージーランド
韓国
チュニジア

上記以外にも、公式にグループへの参加が確認されていないものの、ウクライナに軍事支援を提供している国もあります。

アゼルバイジャン (迫撃砲と航空爆弾)
カンボジア (地雷除去訓練)
コロンビア (地雷除去訓練)
イスラエル (対ドローンシステム、対ドローン情報、非致死性物資)
ヨルダン (ロケットランチャーと防空ミサイル)
モロッコ (T-72戦車20両)
パキスタン (砲弾、ロケット弾、その他の弾薬)
スーダン (120mm迫撃砲弾と追加援助)
台湾 (無人航空機)

NATO・ウクライナ理事会

NATOは、ウクライナを対等なメンバーとして迎え入れる「NATO・ウクライナ理事会」を設立する予定です。この組織は、2023年7月にリトアニアのヴィリニュスで開催されたNATOサミットで発表されました。

結論

ウクライナ防衛コンタクトグループは、ウクライナの防衛を支援するための国際協力の重要な枠組みです。参加国は、ウクライナへの軍事援助の提供と調整を通じて、ロシアの侵攻に対抗するウクライナを支援し続けています。また、サブグループの設立やNATO・ウクライナ理事会の設立など、ウクライナへの支援をさらに強化するための取り組みも行われています。

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