ウズベキスタンの教育

ウズベキスタンにおける教育：現状と課題

ウズベキスタンでは、7歳から始まる12年間の初等・中等教育が義務教育となっています。この教育課程は、4年間の小学校教育と、5年または3年の中等教育から構成されます。学校は、小学校と中学校が9月から5月までの4学期制、高校が9月から6月までの2学期制を採用しています。

中等教育段階には、大学進学を目指すリツェイ（一般高校）と、専門技術を習得するカレッジ（職業専門学校）の2種類があります。初等・中等教育の進学率は高いものの、都市部と地方部の間には大きな格差が存在しており、地方部での進学率は必ずしも高くないのが現状です。

また、就学前教育施設への通学率は、1991年のウズベキスタン独立以降、大幅に減少しており、2012年時点では26％にとどまっています。

ウズベキスタン政府は、識字率を100％と発表していますが、ソ連崩壊後、教育水準は徐々に低下傾向にあります。教育への投資や設備は十分とは言えず、若年層人口の増加に対応した教育政策が遅れているとの指摘もあります。実際、1992年から2004年にかけて、教育予算はGDP比12％から6.3％へと削減されましたが、2006年には8.1％に回復しています。

教育支援体制の不足は、特に初等・中等教育で顕著であり、日本など各国からの支援が続けられています。しかし、大学進学や成功には賄賂が必要となるケースも多く、教育格差の問題が深刻化しています。

大学進学率は、1992年から2001年にかけて18歳人口の19％から6.4％へと大幅に減少しました。ウズベキスタンには63の高等教育機関がありますが、そのうち大規模な上位3校はタシュケント、サマルカンド、ヌクスの国立大学です。

1990年代前半には、イスラム原理主義系の学校設立が政府によって弾圧された歴史があり、その後、私立学校の設立は禁止されてきました。しかし、1999年には政府支援の下、タシュケント・イスラム大学が開設され、イスラム教に関する高等教育を提供しています。

国際的な連携も進められており、2002年にはイギリスのウェストミンスター大学とウズベキスタン大統領財団によるウェストミンスター国際大学タシュケント校が設立されました。また、2007年にはウズベキスタン銀行協会とシンガポール経営開発研究所がタシュケントにMDIST大学を設立し、現在、国内最難関大学となっています。

ウズベキスタンの教育は、識字率の高さと、義務教育の普及という成果を挙げている一方で、教育格差、教育投資の不足、高等教育における腐敗といった深刻な課題を抱えています。これらの課題への対応が、ウズベキスタンの将来の発展にとって不可欠です。今後の教育政策の改革と国際協力の強化が期待されます。

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