ウズラクイナ

ウズラクイナ

ウズラクイナ（学名: Crex crex）は、ツル目クイナ科に属する鳥類で、ウズラクイナ属としては唯一の種です。その独特な生態と分布域の広さで知られています。

分布

ウズラクイナは、夏季にヨーロッパから西アジアにかけて繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸の北部から中部以南へと渡り越冬します。日本においては、2010年に関西地方での観察記録があります。

形態

全長は約27-30cm、翼を広げると42-53cmになります。首は比較的短く、体の上面は淡い黄褐色で、暗褐色や黒褐色の縦縞模様が入っています。体の下面は淡黄褐色で、喉は白い羽毛で覆われています。尾羽の付け根部分（下尾筒）は赤褐色で、白い縞模様があります。目の上には灰色の眉状の模様（眉斑）があり、目の前部から後頭部にかけては淡黄褐色の線模様（過眼線）が見られます。翼は幅広く、風切羽は次列風切が最も長いです。翼の色は黄褐色で、羽毛の縁は淡黄色をしています。

虹彩は淡褐色で、嘴は短く、付け根が太くなっています。脚の色は赤みがかった灰色をしています。

幼鳥は、体の上面が淡黄褐色の羽毛で覆われており、眉斑がありません。オスは喉から胸にかけての羽毛が灰青色をしています。繁殖期になると、オスはこれらの色が濃くなり、眉斑も太くなります。

生態

ウズラクイナは、草原やサバンナ、湿地の周辺に生息します。繁殖地では、飛ぶことは稀で、危険を感じると短い距離を飛んで茂みに隠れることが多いです。

食性は雑食で、昆虫、甲殻類、貝類、両生類、小型の鳥類、小型哺乳類、植物の葉、種子などを食べます。特に春季や冬季には種子を主食とします。

繁殖形態は卵生です。繁殖期になると、オスは昼夜を問わず特徴的な鳴き声を発します。この鳴き声が属名および種小名の由来となっています。草や茎を組み合わせて地面に巣を作り、一度に6-14個の卵を産みます。抱卵はメスのみが行い、抱卵期間は16-19日間です。

人間との関係

ウズラクイナは、生息地の開発や草原の伐採、農作業の機械化などによって生息数を減らしています。1996年の調査では、鳴いているオスの数から、92,000-230,000羽が生息すると推定されています。生息環境を守るための対策が求められています。

参考文献

BirdLife International. 2018. Crex crex. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T22692084A132049319.

関連項目

クイナ科

外部リンク

* ウズラクイナの画像 - Google 検索

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