ウズラチメドリ科

ウズラチメドリ科の概要

ウズラチメドリ科（学名: Cinclosomatidae）は、スズメ目に属する鳥類の一つで、その特徴的な生態と系統において исследованиеが進められています。しばしばシラヒゲドリ科（Psophodidae）と同じグループに分類されることがありますが、実際には系統的に異なることが判明しています。古くからはクイナチメドリ科（Eupetidae）、ハシリチメドリ科（Orthonychidae）とも関連付けられてきました。

系統と分類

ウズラチメドリ科は、もともと1964年にDeignanによってハシリチメドリ科に統合されていましたが、1985年のSibley & Ahlquistによる研究を経て、シラヒゲドリ科と分かれることになりました。この変更は、鳥類の進化の系統樹を基にした新しい見解から生まれたものです。さらに、クロチメドリ属（Melampitta）、ズアオチメドリ（Ifrita）、クイナチメドリ（Eupetes）なども別扱いされることがあるため、分類には一定の混乱があります。

科名の優先権としては、以下の順番があります。
1. ハシリチメドリ科 Orthonychidae Gray, 1840
2. クイナチメドリ科 Eupetidae Bonaparte, 1850
3. シラヒゲドリ科 Psophodidae Bonaparte, 1854
4. ウズラチメドリ科 Cinclosomatidae Mathews, 1922

このため、ウズラチメドリ科に含まれるシラヒゲドリやクイナチメドリの存在により、分類名に対するコンセンサスが存在することは必須です。日本では、しばしば「シラヒゲドリ科」や「ウズラチメドリ科」と訳されることがありますが、この訳が必ずしも学名に対応しているわけではないため、注意が必要です。

近縁種と系統関係

また、ウズラチメドリ科の近縁にあたる種については、ハシブトモズビタキ（Falcunculus）やホオダレモズガラ（Eulacestoma）との関係が考えられることもありました。しかし、最近の研究によれば、ウズラチメドリ科とシラヒゲドリ科はカラス上科に位置するものの、それにさらに密接した系統が存在しないことが確認されています。特に、クイナチメドリはカラス上科ではなく、スズメ小目に近縁なことが分かっています。

属と種の分類

国際鳥類学会議（IOC）の基準に従った場合、ウズラチメドリ科とシラヒゲドリ科はそれぞれ以下の属と種から構成されています。

シラヒゲドリ科

• - 属名：Androphobus

- Androphobus viridis（セミドリチメドリ）

• - 属名：Psophodes

- Psophodes olivaceus（ムナグロシラヒゲドリ）
- Psophodes nigrogularis（シラヒゲドリ）
- Psophodes cristatus（カンムリハシリチメドリ）
- Psophodes occidentalis（ニシカンムリハシリチメドリ）

ウズラチメドリ科

• - 属名：Ptilorrhoa

- Ptilorrhoa leucosticta（タカネパプアチメドリ）
- Ptilorrhoa caerulescens（パプアチメドリ）
- Ptilorrhoa geislerorum（ブラウンヘッドジュエルバブラー）
- Ptilorrhoa castanonota（クリゴシウズラチメドリ）

• - 属名：Cinclosoma

- Cinclosoma punctatum（ウズラチメドリ）
- Cinclosoma castanotus（クリゴシウズラチメドリ）
- Cinclosoma cinnamomeum（ニッケイウズラチメドリ）
- Cinclosoma castaneothorax（クリムネウズラチメドリ）
- Cinclosoma ajax（パプアウズラチメドリ）

ウズラチメドリ科は、特異な形態と行動の多様性から、今後の研究が期待される分類群と言えるでしょう。

もう一度検索